健康 9月は認知症月間(世界アルツハイマー月間)です

1994年に国際アルツハイマー病協会と世界保健機関(WHO)が共同で、9月を「世界アルツハイマー月間」、9月21日を「世界アルツハイマーデー」と定めました。日本では、9月を「認知症月間」、9月21日を「認知症の日」と定めています。
認知症とは、記憶力や判断力、言語能力などの認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態です。その中で最も多いのがアルツハイマー型認知症です。
認知症月間の目的は、認知症への関心と理解を深め、認知症の人々やその家族を支える社会の実現を推進することです。認知症について正しい知識を広め、認知症になっても安心して暮らせる社会づくりを目指しています。
「認知症になったら何もできなくなる」のではなく、認知症になってからも、一人ひとりが個人としてできることややりたいことがあります。「住み慣れた地域で仲間とつながりながら、希望をもって自分らしく暮らし続けることができる」という考え方が新しい認知症観です。ある認知症の方は「もの忘れが進んでも、重度になっても、人を思う気持ちや人間らしさは変わらない、ということを分かってほしいと思います」と話していました。認知症になっても自分らしい暮らしを続けていくためにはどうすればいいか、どんな役割を果たしていけるだろうか、そのためにはいま何ができるだろう、と共に考えていくことが大切です。
図書館ルイカでは、9月30日まで特別展示コーナーを設置し、認知症に関する書籍の紹介やパンフレット、ポスターなどを掲示しています。この機会にぜひお立ち寄りください。

■認知症に関する主な取り組み
◯認知症サポーター養成講座
認知症に関する正しい知識と理解を深め、認知症の人やその家族を地域で支えるための講座を提供しています。認知症サポーターは特別なことをするのではなく、地域で認知症の人を温かく見守る応援者です。講座は誰でも無料で受講でき、各自治会や職域、中学校など団体に向けて開催されています。

◯認知症サポーターステップアップ講座
サポーター養成講座を受講した人がより実践的な知識や対応スキルを身につけるための講座です。認知症の人への理解を深め、地域での支援活動を目指します。受講した人はチームオレンジのメンバーとして活動しています。

◯チームオレンジ活動
認知症の人とその家族を地域で支えるための活動です。活動の目的は、認知症になっても安心して暮らせるまちづくりを目指し、認知症の人や家族の孤立を防ぎ、社会参加を促進することです。現在の主な活動として、ひだまりカフェ(認知症カフェ)を開催しています。

◯ひだまりカフェ
認知症の人やその家族、介護者、認知症に関心のある方々が、おいしい飲物を飲みながらゆったりとした雰囲気で交流しています。親子サークルが参加することもあり、多世代交流の場にもなっています。会場は南区コミュニティセンター(南5条2丁目)で、毎月第三金曜日の10時から12時まで開催しています。利用料は100円です。どなたでもご利用いただけますので、ぜひ一度お立ち寄りください。

◯認知症ガイドブック(認知症ケアパス)
認知症の人がその進行段階に応じて、いつ、どこで、どのようなサービスを利用できるのかをまとめたものです。役場のホームページや高齢者支援課窓口で配布しています。

■認知症と難聴の関係
近年の研究では、難聴と認知症には密接な関連性があることが明らかになっています。難聴は単なる耳の問題だけでなく、そのまま放置するとコミュニケーション障害や孤立感を引き起こし、精神的なストレスが脳に負担をかける結果となります。そのため、記憶力や判断力の低下など、認知症のリスクが高まることが指摘されています。さらに高齢者に多い難聴は、日常生活の質にも大きな影響を与えます。会話が困難になることで孤独感や疎外感を感じやすくなり、それが精神的健康を損なう要因となります。一方で、適切な補聴器やコミュニケーション方法の工夫によって難聴を改善し、その結果として認知機能低下の予防につながる可能性も示されています。
厚生労働省のホームページで「耳の健康チェック」を公開していますので、確認してみましょう。

◎耳の健康チェック
※詳細は広報紙12ページのQRコードをご覧ください。

詳細:役場高齢者支援課地域包括支援センター
【電話】25-9200