健康 生活支援コーディネーター通信 第27号

■五感、衰えていませんか
人間が外から受けた刺激を感じるための感覚器官を「五感」といいます。五感とは、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の5つの感覚であり、日常生活に欠かせない役割を担っています。最近「小さな字が見えにくくなった」「話し声が聞きにくい」「臭いを感じにくくなった」「何を食べても味がハッキリしない」「暑さや寒さを感じにくくなった」といったことはありませんか。これらは、加齢とともに五感である感覚機能の低下によって生じる現象で、日常生活にも好ましくない影響を及ぼす一因となります。

■まんべんなく脳を刺激し、認知症予防を
WHO(世界保健機関)が2019年に発表した「認知機能低下・認知症リスク軽減のための指針」において、認知機能を刺激することは、認知症リスクの低減に効果をもたらすことが示されています。脳は場所によって司る役割が異なるため、まんべんなく五感を刺激することで各部位は活性化し脳バランスが保たれ、より良い脳の状態を保つことにつながります。五感を意識的に使うことは認知機能の維持につながり日々の生活にも豊かさを与えてくれるでしょう。

■五感を意識して、健やかな毎日を目指しませんか
では実際、どうすれば五感を刺激することができるでしょうか。実は特別難しいことはなく、日常生活を少し意識するだけで、脳を活性化させることが期待できます。例えば、散歩をする方はいつもより風景に意識を向けることで視覚の刺激になりますし、歩幅や地面の感覚を意識することで触覚が刺激されます。散歩に限らず、日常生活において「意図的に意識を向ける」ことで五感は刺激を受け、脳が活性化されます。情報過多な環境で生きている現代人は、知らないうちに五感が鈍っていると言われています。少しの意識で脳を活性化し、心身ともに健康でありたいですね。