くらし 誇りと活力あふれる夢(まち)づくりを目指す(1)
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- 自治体名 : 北海道弟子屈町
- 広報紙名 : 広報てしかが 2025年4月号
令和7年度町政執行方針
町長 德永哲雄
令和7年第1回町議会定例会が3月4日から7日まで開かれ、令和7年度予算案などが審議されました。
德永町長が行った町政執行方針と、岩原教育長の教育行政方針の概要をお知らせします。
■活気ある弟子屈町を取り戻す
昨年12月から7期目の任期をスタートさせていただき、私が町政をお預かりして25年目を迎えます。これからの4年間をこれまでの政策の総仕上げと位置づけ、全力で取り組んでまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
令和4年度からスタートした第6次弟子屈町総合計画は4年間の前期実行計画の最終年となります。前期の事業実績を点検、改善しつつ、まちづくりの基本目標を達成すべく後期実行計画を策定、各種事業を推進してまいります。
昨年から長引く物価高騰や円安による日本経済の停滞、少子高齢化、人手不足など、依然として課題も多く、本町においても大きな影響を受けております。
しかしながら、インバウンド需要の急回復による観光業の活発化や個人消費の回復傾向など明るい兆しも見えております。人口減少が進む中、次代を担う世代が本町に住み続けながら夢や希望を抱き、活躍できるまちづくりを実行してまいります。
観光につきましては、川湯温泉街の再生に向けて阿寒摩周国立公園満喫プロジェクトを進めるとともに、自然と共生する観光地としてさらなる魅力向上を目指してまいります。
また、中心市街地再構築事業では、昨年から複合型地域観光交流拠点施設の敷地造成に着手いたしました。引き続き本体施設の建設に向けて準備を進めてまいります。
農業につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大以降、待ち望まれていた新そば祭りの再開が決定いたしました。町外からも多くの来場者が訪れる集客力の高いイベントであり、大きな経済効果が期待されます。
基幹産業であります観光と農業をはじめ、地域経済を守るうえで大きな課題となっている担い手不足、労働力不足を解消するため、引き続き取り組みを進めてまいります。あわせて、移住定住の推進と雇用対策を包括的に進める仕組みを構築し、対策を強化してまいります。
これらの経済対策を行う一方で、子育て支援や医療福祉サービスの充実など、生活を豊かにする施策の継続は重要で欠かすことはできません。こどもの医療費や保育料の無償化、地域医療や高齢者福祉施設の確保など、町民みんなで子どもを育て、高齢者も安心して暮らせるまちづくりのため、今後も積極的に町民のみなさまの生活向上に直結する施策を推進してまいります。
※◎は新規事業となります。
■[環]人と自然が共生する夢(まち)づくり
●環境保全の推進
・バイナリー発電設備の本格稼働と弟子屈小学校の温泉床暖房への2次利用。
・地熱資源開発事業を行っている湯沼アトサヌプリ地区でのフラッシュ発電事業実施に向け今後の方針を検討。
●生活環境の充実と向上
◎老朽化した消防救急デジタル無線基地局更新の継続、耐震性貯水槽の更新や消火栓の新設、衛星電話機や無人航空機の配備。
・全国的に被害額が増加している特殊詐欺防止の啓発や町内での交通死亡事故対策、地域の防犯対策や消費生活の安全を確保。
◎人口減少や少子高齢化による墓や納骨堂の継承管理が困難な方のための「合葬墓」運用開始。
●環境と共生する基盤の整備
・中心市街地再構築事業として、中心市街地地域交流拠点複合施設建設準備。
◎中心市街地の大型廃屋ホテル2棟の解体に向けた調査設計。
・橋梁長寿命化計画に基づく朝霧橋、下鐺別橋及び岡田橋の改修工事を実施。
◎住宅環境充実のため、新たに川湯駅前団地の建替事業に着手し1棟4戸を建設。緑団地でも引き続き1棟4戸を建設。
・民間住宅の新築・リフォーム支援として、住宅建設促進事業及び民間賃貸住宅の建設・リフォームなどに対する支援を継続。
・活用できる空き家の調査を継続、空き家バンクなどの活用を推進。
・上水道事業、農業用水道について、管路の耐震化を継続。
・温泉事業について、各泉源の揚湯管エアー管の入替、温泉利用者への安定給湯を推進。
・下水道事業について、耐用年数を経過し老朽化した弟子屈浄化センターの設備更新、耐震補強、安定した汚水処理の推進。
・下水道計画区域を除く地域での合併処理浄化槽設置費用の一部助成を継続。
◎バス停や路線から離れている、いわゆる交通空白地域にお住まいの方を対象に、玄関からスーパーまでの移動手段を確保する「買い物乗合ハイヤー」の実証運行。
■[活]活力・活気・雇用を生み出す夢(まち)づくり
●基幹産業の更なる強化
・道営草地畜産基盤整備事業弟子屈地区の圃場整備を継続。
・国営総合農地防災事業による、圃場の機能回復のため、幹線明渠改修工事の着手。
・馬鈴薯の病害虫対策、甜菜・そばの品質・生産性向上を図る畑作生産基盤強化事業や持続的畑作生産体系確立緊急支援事業の推進。
・畜産・酪農の生産性・収益力強化を目的とした、和牛・乳牛の多種経営を推進し、生産基盤を強化。
・弟子屈町農業担い手育成センターによる、就農に向けた研修から就農後の経営指導など、ソフト・ハード一貫したサポートの実施、担い手の確保。
・摩周メロン・摩周そば・摩周和牛の安定生産やブランド力強化、流通対策や販売促進。
◎老朽化した町農産物集出荷センター建て替えに向けた実施設計。
◎令和7年度から令和14年度まで実施する森林由来のカーボンクレジット創出に向けた「Jクレジット」に参加。
◎川湯温泉街の再整備のため、川湯温泉最大の特徴である街中を流れる温泉川を中心とした川湯広場の実施設計と湯けむりの景観と融合した川湯横丁の整備に支障となる川湯一の坊周辺の廃屋解体。
◎最終年度を迎える阿寒摩周国立公園満喫プロジェクトステップアッププログラム2025により、国立公園を抱える町として世界に誇れる場所となるよう魅力向上に向けた取り組みを実施。
・昨年オープンした「北海道東トレイル」による周辺市町村との広域連携強化。
●雇用を支える産業力の向上
・昨年実証実験を行ったデジタル地域通貨の普及促進、消費流出の抑制と利便性の向上、商工事業者への支援を実施。
・世界で2番目に大きい日本最大のカルデラ湖である屈斜路湖の豊富な水資源を守りながら、周辺に生息する自然豊かな動植物を含め、水産資源を保全。
・国の制度を活用した新たな雇用創造に向け、新規雇用希望者とのマッチングを実施。
・企業振興促進条例に基づく新たな事業所や宿泊施設の誘致。
・町内宿泊施設やゴルフ場の老朽化した設備の更新や防災機能強化などに対しての支援を実施。