くらし 「豊かな心を育て文化を大切にする夢(まち)づくり」を(1)

令和7年度教育行政方針
教育長 岩原勝行

近年、少子高齢化に加え、感染症の発生や気候変動など国内外の社会・経済情勢が目まぐるしく変化しております。
学校教育分野では、デジタル化の急速な進展のもと、ICT教育の推進によりデジタルリテラシーを高め、未来の社会で活躍できる人材の育成や、タブレット端末を利活用した授業の充実がより一層求められております。
社会教育分野では、子どもからお年寄りまで誰もが気軽に参加でき、潤いに満ちた生活が送れるような、生涯学習の推進と地域文化の継承が益々重要となっております。
本町の教育目標である「学校、家庭、地域社会が連携し、ふるさとを創る人を育む」を実現するため、「第6次弟子屈町総合計画」に掲げる、「豊かな心を育て、文化を大切にする夢(まち)づくり」を目指し、第3次弟子屈町教育推進基本計画に沿って教育行政を推進していくとともに、さまざまな課題にもしっかりと向き合い、各種事業に取り組んでまいります。学び環境の充実
本町の未来を担う子どもたちが、急速なグローバル化の進展やSociety5・0時代の到来などを見据え、たくましく生き抜き自己実現に向けて挑戦できるよう、自ら考え判断し、表現できる力を育むことが求められております。
その実現に向け、子どもたち一人ひとりが「持続可能な社会の創り手」として、自分の良さや可能性を信じ、多様な人々を尊重し協働することで社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓いていけるよう、安心して学べる環境づくりを全力で推進してまいります。

■生きる力を育む学校教育の充実
▽(1)信頼される学校づくりの推進
・ホームページや学校だよりを活用した情報発信の継続。
・コミュニティ・スクールでは、学校評価を通じ保護者や地域の方々の意見に耳を傾け、教育活動の充実を推進。
・特認校・美留和小学校における個々の特性に応じたきめ細かい対応によるニーズの増加。
・弟子屈中学校での地域協力者向け「TEICHU・SPACE」開設などによる新たな取組みを通じ、信頼される学校づくりや地域とともにある学校の実現。

▽(2)確かな学力のかん養と情報化教育の強化
・確かな学力のかん養と情報化教育への対応が重要。
・「全国学力・学習状況調査」や「弟子屈町学力調査」を分析し、学力向上に向けた子どもが学びの主体となる授業改善。
・英語力向上に向け、玉川大学との更なる連携の推進。
・大学生による各小中学校での英語の授業実践の拡充による、子どもたちの外国語コミュニケーションへの興味関心の向上。
・英語教育に関わる教職員向けの研修会の実施と教職員の授業力向上。

▽(3)心身の健康づくり
・心身共に健康な生活を送るために、必要な情報を自ら収集し、適切な意思決定を行うことができる力の育成。
・学校や家庭、地域が連携・協働した健康づくりの取り組み。
・児童生徒の健康増進について、フッ化物洗口の全小中学校での実施を目指し、児童生徒の歯や口腔の健康づくりを推進。
・体力づくりについては、「新体力テスト」の継続的な実施による児童生徒の体力状況の把握と授業改善。
・課題のあった項目について再度「新体力テスト」を実施し検証改善サイクルを確立、体力の向上。
・いじめの対応について、学校におけるいじめ根絶に向けた取組みや「いじめ撲滅サミット」改め「未来こども会議」の実施。
・子ども自身がいじめに向き合い、根絶に向けた取組みを更に推し進め、子どもが悩みを相談できる環境づくりの推進。
・不登校児童生徒は減少傾向にあり、毎月の各学校への調査や幼小連携・小中連携を更に進め、未然防止と適切な支援を実施。

▽(4)ふるさと学習の推進
・子どもたちが身近な地域の魅力や課題などを知り、地域社会の一員として愛着や誇りを持てるふるさと教育の充実を推進。
・探究的な学びの更なる充実を図るため、新たに「総合的・探究的な学習実行委員会」を組織。
・各小中学校や弟子屈高校の学習内容の共有・整理を推し進め、各学校が主体的に地域素材を生かした「弟子屈探究」の構築に向けた支援。
・姉妹都市中学生交流事業での本年8月に鹿児島県日置市派遣団を受入れ、双方の中学生の再会と交流の実施。

▽(5)特別支援教育の充実
・特別な支援が必要な子どもたちが切れ目のない支援を受けられるよう、関係機関との効果的な連携体制を構築。
・教育環境の整備・充実を図り、一人ひとりの教育的ニーズに応じた支援体制を整備。
・「特別支援教育推進会議」を通じ、各小中学校と弟子屈高校の特別支援教育コーディネーターや、こども発達支援センター、川湯保育園、認定こども園ましゅう、町の保健師など関係機関との連携を強化、情報共有や研修会の実施。
・幼小連携の一層の充実を図るため、架け橋期のプログラムの整備。

▽(6)高等学校への支援
・新入学生の確保・募集について「地域みらい留学」による都市部を中心とした全国募集活動を実施し、安心して生活できる受入れ体制等の整備。
・地元中学生の弟子屈高校への進学率向上へ向け、コミュニティ・スクールやコーディネーターとの連携を強化し、高校の「魅力ある学校づくり」と「学力向上と人材育成」の実現に向けた支援。
・高校へ通う生徒の保護者負担の軽減のため、給食の無償提供、交通費の助成のほか、タブレット端末の購入にかかる入学祝い金などの支援を実施。
・公設民営塾については、保護者と高校との連携をさらに深め、一人ひとりの可能性を広げるために「弟子屈高校流の大学進学や各種就職などを果たせる学習環境」を継続。

▽(7)教職員のスキルアップと働き方改革の推進
・教員自身の資質能力の向上に努め、フィールドワーク研修や初任段階教員を対象とした研修を行い、教職員の資質・能力を向上。
・小中学校の自主公開研究会の開催を通して、互いに授業を見合うことを習慣化し、自身の授業実践の振り返りに繋げるなど、教職員の授業力向上を推進。
・各小中学校教職員の業務負担軽減を図るため、定時退勤日の設定や学校行事の見直し・精選、勤務状況の公表や分析を実施。
・中学校部活動の地域移行について、町内の学校関係機関、スポーツ・文化団体や少年団で組織する「町立中学校部活動の地域移行に関する検討協議会」で引き続き協議し、試行モデルとして、一部の部活動において、外部団体による土日の部活動指導を実施。