くらし トガリネズミラヴァ― 六田晴洋の私たちのご近所さん

VOL.28 トウキョウトガリネズミ展を振り返って

8月2日から24日まで公民館で開催されたトウキョウトガリネズミ展が終了しました。お越しくださった皆さん、ご協力いただいた皆さん、誠にありがとうございました。今年で3年連続の開催となりましたが、来場者数は過去2回を大きく上回る1429人でした。訪れた皆さまの眼差しや私への質問内容などから、トガリネズミや白糠町の自然への関心が高まってきたように感じました。

■全4種のトガリネズミが住む白糠町
ネズミとは名ばかりで、実はモグラの仲間であるトガリネズミ。北海道には4種のトガリネズミが生息しています。体が大きい順にオオアシトガリネズミ、エゾトガリネズミ、ヒメトガリネズミ、トウキョウトガリネズミです。トウキョウトガリネズミは世界最小の哺乳類で、絶滅危惧種に指定されています。また、日本では北海道にしかいません。一説によると、蝦夷と江戸を間違えたからこんなヘンテコな名前が付いたとも言われています。白糠町には、北海道にいるこの全4種のトガリネズミが生息しています。それはとても珍しいことです。きっと、トガリネズミたちが暮らしやすい条件が白糠町には揃っているのでしょう。しかし、その生態はまだ謎が多く、生息するには何が重要なのかははっきりとはわかりません。そのため、まずは今ある環境をなるべく保つことが大切です。この数年間、新しい道の駅の建設に伴い、町と手を取り合ってその課題に取り組んできました。それには町内外問わず多くの人のご理解とご協力が欠かせません。トウキョウトガリネズミ展は、そのためにも大きな役割があると考えています。今回の展示では多くの方々にお越しいただき、アゴが痛くなるほどたくさん解説することができてホッとしているところです。これからも私にできることを地道に続けていこうと思います。

○PROFILE
六田晴洋 ろくた はるひろ
1986年生まれ。
2021年に白糠町へ移住。
大学卒業後、フリーランスのカメラマンやディレクターとして野生動物や自然風景を撮影している。
【URL】https://rokutaharuhiro.com