- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道標津町
- 広報紙名 : 広報しべつ 2025年4月号
【歳出】
歳出では「政策パッケージ」の経費として、ハード事業を含めて総額9億3,707万円を当初予算に計上(うち、補助金、町債を除く一般財源は約2.6億円)させていただいたほか、町民の皆さんの暮らしに欠くことのできないライフライン(水道や下水道など)の整備に関する経費につきましては、当初から予算化しております。
それぞれの事業には、活用できる補助金や良質な町債などの特定財源を可能な限り充当するほか、これまでの行財政改革などによって築いた基金の一部をもって財源を確保することとしております。
以下、主な施策について申し上げます。
《産業・経済》
農業では、引き続き生産性向上に向けた基盤整備の推進を図るほか、各種経営類型に適応した政策支援を実施してまいります。
水産業では、サケ増殖施設の整備に係る漁業者負担の軽減や水産物ブランド力強化への取り組み、地場産品の普及宣伝活動を進めてまいります。
また、地元事業者は物価高騰による厳しい経営、人手不足といった数多くの課題に直面しておりますことから、効果的な支援が図られるよう、必要に応じた支援に取り組んでまいります。
加えて地域の産業振興や課題解決に資する新しい技術やアイデアを持つスタートアップ企業、ロボットなどの実証実験を積極的に受け入れる「試せる大地しべつ町」プロジェクトにつきましては「地域おこし協力隊」も活用しながら取り組みを推進してまいります。
《子育て・教育》
子育ての支援につきましては、引き続き、産前産後のサポートや子ども園の支援充実、医療費の無料化をはじめとした支援施策を継続してまいります。
未来を担う子どもたちを育むため、安全・安心かつ、時代に即した教育環境の整備・充実を図るとともに、老朽化が進む一部教育施設の安全性確保が喫緊の課題となっておりますことから、引き続き基本構想策定に向けて検討を進めてまいります。
また、標津高等学校につきましては、「地域みらい留学制度」による地域外からの生徒受入れを促進するとともに、小中高の連携強化と特色ある学校づくりを進め、安定した生徒数の確保と地域全体の教育環境の向上を目指します。
《福祉・医療》
グループホームや高齢者下宿、サービス付き高齢者向け住宅など高齢者福祉施設入居者の負担増などにより、経済的な相談件数が増加していることを踏まえ、入居者の家賃など助成を継続してまいります。
標津病院は久留米大学医学部の手厚いご配慮によって安定した医療提供体制を堅持することができております。今後も連携をより一層深め、信頼ある安定した医療提供体制のもと、町民の生命と健康を守ってまいります。
《観光》
観光地域づくりに取り組む南知床標津町観光協会が昨年6月に一般社団法人南知床標津町観光協会として法人格を持った組織となり、組織力や事業展開が強化されました。同協会への支援を通じ、付加価値の高い持続可能な観光地域づくりを推進してまいります。
《建設・防災》
町道整備事業については、継続5路線・新規2路線の整備に取り組むほか、橋梁の長寿命化修繕などにより、快適性・利便性の向上につなげてまいります。
住宅政策では、住宅取得やリフォームの助成を継続するとともに、町外からの移住者などが、同居親族要件などにとらわれず入居できる特定公共賃貸住宅制度による公営住宅の柔軟な利活用を進めるなど、移住・定住の促進を図ってまいります。
水道施設は、施設の自動運転と監視を担う電気設備の老朽劣化対策と機能強化を図るとともに、不測の事態における災害備蓄品の完備により安心安全な水道水の安定供給に努めてまいります。
下水道については、処理施設の改築更新と耐震改修を継続して行うとともに、未普及地域には浄化槽による生活排水処理と水洗トイレの普及を促し、すべての町民が衛生的な環境で暮らせる町となるよう努めてまいります。
防災対策としましては、大雨や暴風雪などの自然災害に対応するため、基幹道路の防雪柵設置を継続するほか、除雪車へのGPS搭載による除雪体制の強化を図ってまいります。
また、災害発生時には正しい情報の入手が重要になることから、平成24年から運用している防災行政無線の更新を行うほか、新たなシステム開発により何処にいても携帯端末などで情報の確認ができるよう、情報伝達の多重化を行います。
4.むすびに
以上、町政執行につきまして私の基本的な考え方を申し上げました。
私は、町長として1期目のこの4年間、「町民の笑顔輝くまちづくり」を目指し、冒頭申し上げました政策パッケージ事業を中心に、暮らしや産業の支援に取り組んでまいりました。
この間、コロナ禍をはじめとするさまざまな課題に直面しましたが、町民の皆さま、そして町議会のご理解とご協力により、各種の事業を進めることができました。改めて感謝申し上げます。
残る任期はわずかではありますが、今春よりごみ袋の変更や、携帯端末での防災無線確認アプリの運用を行ってまいります。町民の皆さまの暮らしが少しでも豊かで便利になるよう、そして、笑顔輝くまちづくりに向かって町政運営に全力で努めてまいります。
町民の皆さま、そして町議会議員の皆さまのなお一層のご理解とご協力を心からお願い申し上げまして、令和7年度の町政執行方針とさせていただきます。