健康 青森市医師会からのお知らせ Vol.14

■「糖尿病網膜症について」
寄稿:木村 智美さん(きむら眼科 院長)

皆さんの中には様々な理由で病院に通院しているかたも多いと思いますが、かかりつけ医で治療される身体の病気の中には眼にも影響が出るものもあることをご存じでしょうか。
その中でも眼に重大な影響を及ぼす病気として糖尿病があります。糖尿病では血管が悪くなりやすく、眼底(網膜)の血管が障害されると糖尿病網膜症と呼ばれる状態になります。初期は少しの内出血のみですが、徐々に血管が障害されていきます。重症になると眼の中の水分が出血で濁ることや、網膜剥離などが起こることを理由に視力が低下し手術が必要になったりなど、治療をしても失明につながってしまうことがあります。そして、この病気の怖いところは改善が難しいのに重症にならないと視力が下がらないため、自覚症状がほとんどないことです。
内科の治療を続けていただくことはもちろんですが、定期的に眼底検査を受け、悪化のきざしがあれば早期に対処して重症化を防ぐことが大切になります。糖尿病と診断されると眼科受診を勧められることが多いと思いますが、見えているからといって後回しにせず、ぜひ定期的な眼科通院をお願いします。

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