健康 大間病院だより

◆貼りすぎ注意湿布の話

みなさんこんにちは大間病院の落合です。

今年は例年に比べ雪が多く降りましたね。雪かきで疲れたという方も多かったのではないでしょうか。湿布にお世話になったという方もたくさんいらっしゃったと思います。今日はそんな湿布のお話をします。

湿布は筋肉の緊張をやわらげる目的で使うほか、打ち身や捻挫、時には皮膚病に対して用いられます。布地に炎症を抑える効果のある薬剤が塗ってあり、痛みや腫れのある場所に貼って使用することで皮膚に対してゆっくりと薬の成分が溶け出し、皮膚からゆっくりと吸収されることで効果を発揮します。湿布には俗にいう温湿布、冷湿布がありますが、これは温める湿布、冷やす湿布という意味ではありません。効果としてはどちらも痛みの原因となる炎症をやわらげる効果であり、貼った時の感覚が暖かいか、冷たいかという違いだけなのです。

さて、ここ近年一度の受診で処方できる湿布の量が減ってしまい、不満に思っている方もいらっしゃると思います。国の方策でそうなっているのですが、実はそれはみなさんの安全のためでもあるのです。湿布に含まれる痛み止めの成分は、簡単にいうと飲み薬の痛み止めの成分と同様のものです。飲み薬の痛み止めでは、よく胃潰瘍などの病気や腎臓病を引き起こしたりします。胃薬を痛み止めと一緒に処方するのはそのためです。湿布は貼り薬であるため、貼ったところが効果を発揮する主な部位であり、全身の副作用は少なくなっています。しかし、使用する湿布の量によっては、全身の副作用が出てしまう可能性があるのです。

例えば、ロキソプロフェンテープ(ロキソニンテープ)50mgなら16枚でロキソニン1錠分、ケトプロフェンテープ(モーラステープ)40mgなら5枚で飲み薬の痛み止め1日分の量に相当します。1ヶ月毎に70枚の湿布を使い切るような状況を長年続けている場合、体調に影響がないとも言い切れません。

たくさん貼りたくなる気持ちもわかりますが、病院や薬局で言われたとおりの使い方で、過剰に使用することなく自身の体を気遣いながら湿布を使いましょう。

内科医長 落合 秀也

◆大間病院のゴールデンウィーク休診日のお知らせ

※ゴールデンウィーク中は、カレンダー通り休診といたします。なお、救急患者については随時受付いたします。