くらし 元地域おこし協力隊員の今

地域おこし協力隊とは、都市から地域に移住した人が「地域協力活動」を行い、その地域への定着・定住を図るもので、総務省が推進している制度です。任期はおおむね3年で、地域の特産品づくりや観光振興、地域行事の支援、情報発信など、地域に応じた活動を行っています。
市でも、これまでに数名の隊員が任命され、任期を終えた今でもたきざわ地域のために活動している人がいます。今回は協力隊として活躍した2人が、現在どのような活動をしているのか話を聞きました。

■佐藤貴之(さとうたかゆき)さん
盛岡市出身。(株)カモシカ代表取締役。令和元年~4年の間、協力隊として活動。岩手県と東京都を行き来し、現在は市IPU第2イノベーションセンター内に社を構え、デジタルマーケティングのサポートやWeb制作を行っている。

▽協力隊員時代の活動内容
市IPUイノベーションセンターを盛り上げる活動や、ITを活用した地域づくりです。市IPUイノベーションセンターのHPの開設やグーグルマップ登録などを行いました。他にも小中学生向けのプログラミング教室のサポートやセミナーの講師、読書会を開くなど、いい意味で「なんでも屋さん」でした。

▽現在の活動内容
地域の企業や団体の課題を解決するために、HP制作や情報発信支援、県よろず支援拠点のコーディネーターとして中小企業の相談支援を行っています。協力隊員のときにさまざまなことに挑戦した経験が今に生きていると思います。

▽滝沢市の魅力は?
都会の良さもあり、田舎の良さもあるところだと思います。小学校から大学まであって、岩手駐屯地もある。生活も市内で完結できるので、いろいろな要素が集まっているところが滝沢の良さだと思います。

▽これからの展望は?
市町村単位ではなく、岩手県人として県内企業の支援を継続して行っていきたいです。企業の倒産率はずっと高止まりしていて、事業者に話を聞くと、みんな苦労しています。そういった企業の手助けをするとともに、県内の企業がもっと全国や世界で勝負できるように支援していきたいです。市にはとても力添えいただいたので、これからも恩返しをしていきたいです。

■山田直輝(やまだなおき)さん
盛岡市出身。(株)八漱葡萄酒(はっそうぶどうしゅ)代表。令和3年~6年の間、協力隊として活動。協力隊以前は滋賀県のワイナリーでワインを醸造していた。現在はブドウの栽培とワインの販売をしている。

▽協力隊員時代の活動内容
ワイナリー取得の準備の他に、中学生に向けた講演やブドウのわら巻き、定植イベントなどを地域の人と一緒に作業しました。着任当時はコロナ禍で不安もありましたが、市職員にも手厚くサポートをしてもらいながら活動しました。

▽現在の活動内容
自社畑での栽培を進めながら、来年のワインリリースに向けて準備を進めています。醸造用のブドウの他に食用のブドウ栽培にも力を入れ、少しずつ規模を拡大しています。滝沢産のワインを造って、滝沢の皆さんに飲んでもらえるように、日々活動しています。

▽滝沢産ワインの特徴は?
独特な香味やフレッシュな酸味が出やすいと思います。すっきりとした後口で、気づいたらつい飲んでしまうような味です。味の濃い料理はもちろん、創作の和食料理など、あっさりした料理にも合うワインだと思います。

▽今後の目標は?
製造免許の取得と年間20~30トンのブドウの栽培を目標に頑張ります。協力隊の活動で植えた苗が実ってきて、製品として来年リリースできる状態まで育ちました。これからも安定してブドウが栽培できるように慎重に励んでいきたいです。楽しい場面で自然に寄り添えるようなワインを造りたいと思っています。

■現役で活躍する協力隊員を紹介
昨年11月に委嘱され、地域おこし協力隊として活躍している大瀧雄二(おおたきゆうじ)さん。東京都から移住し、農林課とともに有害鳥獣対策とジビエ(野生鳥獣肉)の研究を行っています。

▽大瀧さんから一言!
滝沢のためになる事業を考案し、活動を通して地域の皆さんに愛される協力隊員を目指しています。市民の皆さんにも取り組みを知ってもらえるよう頑張ります。

協力隊として活躍した日々を経て、地域の中で挑戦を続ける佐藤さんと山田さん。そして現在、協力隊として活動する大瀧さん。「滝沢」は、そんな人たちの思いに支えられています。これからの活躍にも注目し、応援していきましょう。

問い合わせ:若者活躍推進室
【電話】656・6536