- 発行日 :
- 自治体名 : 宮城県仙台市
- 広報紙名 : 仙台市政だより 2025年4月号
郡市長がさまざまな現場を訪問し市民の皆さまの活動の様子などをお伝えします
◆第66回 NPO法人仙台城ガイドボランティア会編
仙台城跡を訪れた方に伊達政宗公や仙台城の魅力を伝える活動をしている「仙台城ガイドボランティア会」の皆さんにお話を伺いました。
◇市民にもより愛される場所に
仙台城跡で、4月から11月の土・日曜日や祝休日に観光客へのガイド活動などを行っている「仙台城ガイドボランティア会」。市文化財課が開催したガイドボランティア養成講座の受講生が中心となって平成18年に発足し、現在35人が在籍しています。
「訪れた方に喜んでもらいたいという思いを持って、仙台城や仙台のまちの魅力を伝えています」と話すのは、理事長の相澤勉さん。相澤さんは養成講座の第1期生で、会の発足当初から活動を続けているそう。「ガイドの魅力は、喜びを同じ空間で共有できるところ。案内した方から後日感謝の手紙をもらうこともあり、やりがいを感じています」と充実感をにじませます。
「地元の方にももっと足を運んでもらえれば」と思いを口にするのは、髙橋睦子さん。「仙台城は形が残っているものが少ないので、聞く人の想像力をかき立てるようにエピソードを話すことを意識しています。政宗公は城下を眺め、どんな思いや夢を抱いていたのか。そんなイメージを描きながら仙台のまちを見下ろせば、観光客はもちろん、地元の方にとっても心癒やされる場所になるのではないかと思います」と教えてくれました。
「仙台はじまりの地」ともいえる青葉山エリアの仙台城跡は、本市の歴史や文化を象徴する重要な場所。その魅力を伝える活動は、市民の皆さまが歴史を改めて学び、自分たちのまちに誇りや愛着を持つことにもつながる取り組みであると感じました。
◇一人一人に寄り添う案内を
仙台城跡は本市を代表する観光スポットであり、国内外から多様な方々が訪れます。副理事長の須藤恒(こう)さんは「訪れた方とコミュニケーションを取りながら、その人に合った説明を心がけています」と話します。視覚障害のある方を伊達政宗公騎馬像まで案内した際は、台座側面にある彫刻を手で触ってもらい、政宗公の顔立ちを伝えたそう。「『ごつい顔だね』とおっしゃっていたので、きっとイメージが伝わったんだと思います」と須藤さんは笑顔を浮かべます。
コロナ禍(か)を経て、海外からの観光客も増えているといいます。相澤さんは「会員の中には、外国語の会話に長けた方もいて活躍していますが、歴史に関する用語を海外の方に説明するのは難しい部分もあります。まずは写真を撮ってあげるなど、私たちの基本理念である笑顔でのおもてなしを心がけ、訪れた方に楽しい思い出を持ち帰っていただければ」と語ってくれました。
歴史や文化を知識として伝えるだけでなく、来訪者一人一人と向き合い、交流する姿勢に大変感銘を受けました。
◇誰もが楽しめる観光都市へ
仙台のまちの成長のために、観光を基軸とした交流人口の拡大は欠かせません。その中で、仙台城や伊達政宗公の魅力を多くの方に発信している皆さんの存在を頼もしく感じました。
市では、来訪者の心が躍り、市民も楽しめる「観光都市」を目指しており、青葉山エリアの新たな価値の創出を重点プロジェクトの一つと位置付けています。今後も皆さんとともに、仙台の魅力を高めるための取り組みを進めてまいります。