- 発行日 :
- 自治体名 : 宮城県仙台市
- 広報紙名 : 仙台市政だより 2025年9月号
◆復旧した仙台城跡石垣の魅力を間近で体感
令和3年2月および令和4年3月に発生した福島県沖地震により被災した仙台城跡石垣の復旧が、7月15日に完了しました。復旧に当たっては、令和5年にクラウドファンディングを実施。800人を超える方から2千万円以上の寄付をいただき、復旧費用の一部に活用しています。
復旧した石垣を多くの人に見てもらおうと、7月26日に見学会を開催し、市民や観光客など165人が訪れました。会場では、被災状況や復旧工事の概要などを紹介したパネルを展示。東日本大震災と同規模の地震が発生しても崩落しない耐震性を目指し、現代工法を取り入れたことの説明とともに、実際に使われた補強材が展示され、参加者が興味深そうに眺める様子が見られました。見学に訪れていた小学生からは、「こうやって今も石垣が残っているのがすごい」との声が聞かれ、石垣をはじめとした仙台城跡の魅力をじっくり楽しむ貴重な機会となりました。
なお、石垣の復旧に伴い、8月1日より市道仙台城跡線の通行を再開しました。
◆笑顔があふれる仙台らしい遊び場を目指して
市では、こどもの遊びの環境の充実を図るため、西公園南側エリアを計画地に屋内遊び場の整備を進めることとしています。
整備に向けた基本計画の検討に当たり、7月19日に仙臺緑彩館で「(仮称)西公園屋内遊び場基本計画シンポジウム―みんなで創るあそびのカタチ」を開催し、こどもから大人まで80人が参加しました。初めに市から施設の整備方針など、基本計画の方向性について説明。西公園の特性を生かし、豊かな自然を活用した遊びや、屋内と屋外で連続性を持った遊びが可能となる遊び場を目指すことなどが紹介されました。
その後、日本体育大学子どものからだ研究所助教・寺田光成(みつなり)氏、NPO法人クリエイトひがしね事務局長・村山恵子氏、一般社団法人マザー・ウイング代表理事・小川ゆみ氏の3人が登壇。遊び場とまちづくりに関する研究を行う寺田氏は「当事者であるこどもたちの意見を意識し、こどもの参画に取り組んでほしい」と語りました。山形県東根市の子育て支援施設の運営に携わる村山氏は「こどもの自由な遊びを実現するためには、まず近くにいる大人の意識を変える必要がある」と話し、のびすく泉中央副館長も務める小川氏からは「多世代が交流できるような場所が大事」とそれぞれの視点で遊び場への期待について語りました。
こどもたちの健やかな成長を育み、長年にわたって愛される遊び場となるよう、市民や有識者などから幅広く意見を伺い、本年度中の基本計画策定に向けて取り組んでいきます。
◆猛暑の夏を涼やかに彩る―仙台七夕まつり
杜の都の夏の風物詩「仙台七夕まつり」が8月6日から8日に開催され、市中心部や周辺地域商店街が豪華な七夕飾りで埋め尽くされました。期間中、3日間の人出の合計は210万7千人。市中心部のアーケード街では涼やかに揺れる吹き流しを撮影したり、笑顔でかき分けながら歩いたりする姿が見られました。
8月5日には、前夜祭となる「第56回仙台七夕花火祭」が行われ、約1万6千発の花火が打ち上げられました。花火の前には、ドローン300機によるショーを初めて実施。七夕飾りなどが夜空に描かれました。
また、青葉山エリアでは夜のイベントとして「仙台七夕ナイトフェス」を開催。仙台城跡登城路などがライトアップされたほか、博物館の外壁を使ったプロジェクションマッピングも行われ、訪れた人は、夜ならではの幻想的な空間を楽しんでいました。
◆宮城・仙台の魅力を留学生が発信―モニターツアー開催
7月30日、宮城・仙台の魅力を新たな層に広めるため、市内の大学などに通う留学生を対象としたモニターツアーを実施しました。15カ国からの留学生28人が参加し、2つのコースに分かれ、県内を巡りました。
泉ヶ岳コースではジップラインを体験したほか、仙台大観音を見学し、宮城蔵王コースでは蔵王の御釜と白石城を見学しました。その後、参加者全員が仙臺緑彩館に集まり、ずんだ餅または食品サンプル作りを体験。ずんだ餅作りでは、慣れない作業に戸惑いながらも、完成したずんだ餅を笑顔で味わう様子が見られました。参加者からは、「ずんだ餅を作るのは大変だったけどおいしかった」「周りにも仙台の魅力を伝えたい」との感想が寄せられました。ツアー終了後には、参加者が自身のSNSに写真や感想などを投稿。留学生ならではの視点で宮城・仙台の魅力を発信しました。
市では引き続き、インバウンド促進に向けた取り組みを推進していきます。
◆引退した地下鉄南北線車両に感謝の気持ちを込めてパシャリ
地下鉄南北線は昭和62年の開業から38年が経過し、初代車両の耐用年数である40年が迫っていることから車両更新を順次進めています。初代車両のうち、一番初めに搬入した車両が6月に役目を終えたことから、富沢車両基地において「地下鉄南北線車両『ありがとう撮影会』」を8月4日に開催しました。
小学生から高校生とその家族20人が参加した回では、参加者が車両の外観や車内、運転室などを撮影。撮り逃さないようにと、車両の隅々まで撮影する様子が見られました。そのほか、緊急時など、さまざまな種類の車内放送を聞いたり、つり革を参加者自らが外したりするなど、普段は経験できない体験の数々に目を輝かせていました。参加者からは、「近くで撮影できてうれしい」「自分で外したつり革をもらえて記念になった」といった声が聞かれました。