- 発行日 :
- 自治体名 : 宮城県栗原市
- 広報紙名 : 広報くりはら 令和7年7月号
■大人も子どもも一生懸命 だから楽しい
祭り本番を迎えるその日まで、各地区での山車制作は毎晩続きます。
昨年のくりこま山車まつりで、最優秀賞に当たる市長賞に輝いた二区飛翔会。今年の山車制作責任者を務める水谷さんに、山車制作の原動力や、意気込みを伺いました。
水谷 公宣 さん(栗駒地区在住)
◆山車を愛する気持ちに触れて
二区飛翔会では、毎年5月下旬ごろから7月下旬まで山車制作に打ち込んでいます。日中は、メンバーそれぞれが仕事をしているため、夜間の作業が中心です。
厳しい暑さや、明かりに集まる大量の虫にめげそうになることもありますが、それでも毎年山車を作り続けるのは、完成した時の達成感と、この祭りをこよなく愛する気持ちがあるからです。そしてその気持ちは、どの地区にも共通していると思います。
特に、栗駒で生まれ育った人たちの祭りに対する思いは熱く、年に一度、地元で開催される大舞台に強い誇りを持っています。今年の山車を作り終えたら、来年の山車のことを考える。市外の山車まつりを参考にしようと、視察に行く。強い情熱があるからこそ、できることだと思います。
市外出身の私にとって、その感覚を完全に理解することはできないため、祭りと共に歴史を重ねてきた人たちのことを、うらやましく感じることもあります。しかし、地域を盛り上げたい、伝統を絶やしたくないという思いは、皆さんと同じです。
◆受け取ったバトン
今年から、長年山車づくりに携わってきたベテランたちが引退し、私たち若手が主力で作業をすることになりました。人手が大幅に減ったため、例年よりも早く作業に取り掛かりましたが、無事に完成させられるか、緊張しています。祭りは待ってくれませんし、作品の質を落とすわけにもいきません。やるしかない、その気持ちで祭り当日まで駆け抜けていきます。
今年の題材は、浮世絵師の歌川国芳の作品に登場する怪魚「鰐鮫」です。細部までこだわり抜いた作品を、楽しんでほしいです。
おはやしを担当する子どもたちの熱意も、大人に引けを取りません。
二区飛翔会でおはやしを担当する1人、藤原さんに話を伺いました。
藤原 汐音 さん(栗駒六日町)
◆祭りを盛り上げたい
昨年の山車まつりでは、横笛を担当しました。以前から、横笛を吹いてみたいと思っていたので、役割が決まったときはとてもうれしかったです。
練習を始めたころは、思ったような音が出せず、とても難しい楽器だと感じました。一日でも早く上手に吹けるようになりたくて、平日開催される練習会には必ず参加し、自宅でも練習用の動画を見ながら、何度も繰り返し練習しました。
また、同級生のほとんどが祭りに参加しているので、それぞれの地区での練習内容を話したり、学校の休み時間に、リコーダーを使っておはやしの練習をしたりする子もいました。
こうした練習の成果もあり、本番では、とてもきれいな音を出すことができました。途中であきらめることなく、頑張り続けてよかったです。
祭りは、大人も子どもも一生懸命です。山車を作る人、巡行のときに交通整理をしてくれる人、おはやしで会場を盛り上げる人。みんな一緒に頑張るから、この祭りは楽しいのだと思います。今年も、私はおはやし担当として、祭りをたくさん盛り上げていきたいです。
■2025くりこま山車まつり
日時:
・宵祭 7月26日(土)午後2時30分~9時
・本祭 7月27日(日)午前9時~正午
場所:栗駒地区岩ケ崎馬場通り、六日町通り
内容:
・宵祭
神事・開会式、おはやし演奏、ふるさと芸能、子どもみこし、みこし大乱舞、夜間山車巡行
・本祭
山車巡行・展示、おはやし一斉演奏、市長賞発表、閉会式
※駐車場など詳しくは、くりこま山車まつり公式ホームページで確認してください。
※山車の制作風景や、過去の様子は、FacebookやInstagramで発信しています。
問合せ:2025くりこま山車まつり実行委員会
【電話】45-2114
■「2025くりこま山車まつり」会場案内図
(山車巡行コース)
◇山車巡行時間
・宵祭(7月26日(土))午後7時30分~9時
・本祭(7月27日(日))午前10時15分~11時15分
※詳しくは本紙5ページをご覧ください
■変わらぬ思いは夏よりも熱く
歴史と伝統を脈々と受け継いできた、くりこま山車まつり。そのあり方は、時代と共に移り変わってきましたが、祭りを未来に残したいという地域の思いは、今も変わりません。
夏よりも熱くたぎる思いの火をともし続けるために、私たちができること。それは、現地に足を運び、心身で熱気を受け取ることではないでしょうか。
もうすぐ、祭り本番。迫力と躍動感のあふれる山車が、にぎやかな祭りばやしが、皆さんを待っています。