くらし 【特集】地域学校協働活(4)

◇子どもたちの心の居場所づくりに
~町地域コーディネーター 中学校担当 遠藤 浩(えんどう ひろし)さん~

私が小さい時には、七ヶ浜でネウやサヨリを釣って、自分でさばいて食べましたが、今はスーパーに行けば、なんでも買える便利な時代になりました。今の子どもたちは、塾や習い事などで忙しく、私たちが小さい頃に体験できたことを、したくてもできない状況です。キャリアセミナーでは、大人が子どもたちの心の中にくすぶる、「こうしたい」という思いを引き出したいと思っています。
子どもたちのくすぶる思いは、様々な行動が制限されたコロナ禍に一層拍車がかかりました。当時は、七中の先生方が子どもたちを案じ、何とかしたいという思いと私たちの思いが重なり、七中でのキャリアセミナーが実現しました。
よく、今の若者のことを大人は、「Z世代は!」などと言ったりしますが、私はそうじゃないと思っています。私たち大人は、昔の尺度で子どもたちを見てしまいがちです。子どもは時代を映す鏡なんです。今の子どもたちは火も焚けなければ、何もできない。それは子どもたちの問題ではなく、世の中が便利になったからなんです。
今は便利さゆえになんでもスマホなどから情報を得ることができます。七中のキャリアセミナーでは、実体験でしか経験しえないことを先に生まれた私たちが、自らの実体験を交えながら一緒に考えようというものなんです。
大切なのは、かかわり方だと思っています。子どもたちの心の居場所づくりのために、子どもたちの声を聞いてあげて、大人も子どもも先生も、みんなで目指すベクトルを一つにして、一緒になって取り組んでいくことができたらと思います。

◇説得力が違いますね
~松ヶ浜小学校校長 土生 直樹(はぶなおき)さん~

小学校の先生は、中学校、高校の先生と違い、幅広い教科を教えるので、その道の専門家という人はなかなかいないんです。そうした中で、田植えから稲刈り、脱穀までの農業体験や防災学習としてのまち歩き、環境の話、絵本の読み聞かせなどの専門家のお話は、子どもたちの心にすっと入ってくるんだと思います。
やはり説得力が違いますね。松ヶ浜小には、高山外国人避暑地のテディ・サーカさんが英語の読み聞かせに来ていただいています。ユーモアたっぷりで英語がわからない子どもたちでもつい、引き込まれてしまします。
地域学校協働活動はどこの市町村でも行っていますが、七ヶ浜はとても盛んで、こんなにも多くの方々に来ていただけるのかと思うくらいです。とてもありがたいですね。
子どもたちにとっても皆さんが来られるのは日常のことで、今日も子どもたちの元気なあいさつに「こういうの、エネルギーもらうわ~」とおっしゃっていました。
年に一度、子どもたちによるボランティアさんへの感謝の会はありますが、日ごろの皆さんの活動を通して、子どもたちがもっと地元に目を向けてこそ、皆さんへの恩返しになるのではと思っています。
これまで、3年生の総合学習では、大豆をテーマに豆腐にしたり、あぶら揚げにしたりしていましたが、大豆だとどこにでもありますね。七ヶ浜といえば、海苔です。先生方に提案したら、皆さん、のりのりでしたので来年は海苔の学習をすることになりました。

◎地域学校協働活動に関するお問い合わせは、生涯学習課まで
【電話】357-3302