- 発行日 :
- 自治体名 : 山形県山形市
- 広報紙名 : 広報やまがた 令和7年3月1日号
▼設計者 平田晃久氏によるにぎわい創出の仕掛け
平田晃久さんは、伊東豊雄建築設計事務所勤務の後、2005年に平田晃久建築設計事務所を設立し、2015年から京都大学へ赴任。これまで、日本建築学会賞(太田市美術館・図書館)を受賞したり、海外で講演したりするなど多くの功績を残されています。
今回の新市民会館の設計を担当する平田さんから、各フロアのコンセプトなどをご説明いただきました。
▽1階 誰もが気軽に立ち寄れる開放的な空間
1階のパブリックスペースは、街路からの視線が抜け、誰もが気軽に立ち寄ることができる、開放的な木陰のような空間です。大開口を開け放つことで、まちと一体化した大型イベントも可能です。
市役所前の大通りに面した大スタジオは、施設の外から観覧できる舞台としての利用も可能であり、文化芸術活動の熱が外ににぎわいとして伝わるように工夫していきたいと思っています。
エントランスに入ると広がる木陰のような交流ラウンジでは、パブリックビューイングができたり、カフェがあったり、奥にスタジオがあったりと、さまざまな世代の人が思い思いの時間を過ごせるような場所です。また、3つの貸しスタジオはガラス張りの壁にし、中の雰囲気が見えることで、通りがかった人の興味を引きつけるような仕掛けにしています。
▽2階 ドキュメンタリー映画に親しむ空間
2階には山形ドキュメンタリーフィルムライブラリーがあります。山形国際ドキュメンタリー映画祭が開催される山形市にふさわしい、普段から映像文化に親しむ人々でにぎわう場所になると思います。
▽3階 重ね使いが可能な楽屋
ホールの裏側にあることが多い楽屋を、ロビー側からもアクセスできるようにしています。
楽屋を会議室や練習場所などにも活用できるようにすることで、より多くの人が訪れる機会をつくっています。
▽4階 木の温もりと重厚感が両立する大ホール
4階には大ホールのホワイエがあり、ここから大ホールの中に入っていきます。
大ホールは、木の中の洞窟のようになっており、重厚感のある雰囲気が感じられます。
▽8階(屋上) 見晴らしと憩いの屋上庭園
市内の建物には珍しく、屋上も活用します。屋上に登ると、山形市を取り囲む山々が見渡すことができる場所になっています。市民の憩いの場となる芝生広場や屋外と連動したイベントが行える屋内空間もあります。
《新市民会館シンポジウム》
1月13日に、新市民会館に関するシンポジウムが開催されました。市民会館の大ホールで行われ、約400人が参加しました。
設計者の平田さんをシンポジストに、新市民会館のコンセプトや設計の意図などを聞いて期待を膨らませました。
シンポジウムの動画はこちら(本誌4ページにQRコードを掲載しています)
《新市民会館ワークショップ》
2月8日に、中央公民館でワークショップを行いました。幅広い年代の参加者が、新市民会館をどのような場所にしたいかグループで意見を出し合い、新しい居場所への期待を寄せました。
《建築専門の月刊誌『新建築※』に掲載されました》
『新建築』は、1925年に創刊され、今年で創刊100周年を迎えた日本を代表する歴史ある建築専門誌です。創刊以来、日本の現代建築をクオリティーの高い写真や図面などで詳しく紹介している点が、支持されています。
まだ完成していない施設のイメージパースが大々的に掲載されるのは珍しく、新市民会館が建築の面でも注目を集めているといえます。
※第百巻一号 2025年1月1日発行
選定事業者(BIG-TREEグループ)のインスタグラムでも、新市民会館整備に関する情報発信を行っています。