- 発行日 :
- 自治体名 : 山形県中山町
- 広報紙名 : 広報なかやま 令和7年9月15日号
■「くらし」をつくる
戦後10数年後に生まれた私は、高度経済成長の中で育ち、気づけば、私たちの生活はますます便利になり、多くの物が店頭で買える世の中になりました。私同様、そんな思いの町民の皆さんも多いのではないでしょうか。食料品、雑貨、衣料品に文房具。私たちの生活に欠かせないものですが、これらは私たちの「くらし」そのものではなく、私たちの「くらし」をサポートしてくれる便利グッズなのです。
そして、家族が衣食住をともにする家は、各家庭の「くらし」の基盤と言えるでしょう。その「くらし」の基盤を店頭の棚から商品を選ぶような短期的な買い物にしてしまうのではなく、長期的な視点で考えるべきではないでしょうか。家は雨風や暑さから身を守る単なる建物ではなく、家族のライフスタイルや価値観を反映する場所であり、住む人のニーズや将来のビジョンが詰め込まれた憩いの空間なのです。新築の家だけではなく、古い建物をリニューアルして造ることもできます。自分らしい家を家族皆でつくることは、「くらし」づくりの基本だと思います。
町では、昨年から中山町に暮らしながら感じている、町の「良いところ」「改善が必要なところ」「期待したいところ」などを聞いてきました。今年は、得た意見の中で最も多く上がった「なぜ?」を集めて「なぜなぜ大会議」を開催しました。今後は、住民皆さんで考えた改善策を町づくりに活かしていきたいと考えています。多面的で複雑なプロセスを経て、感情やライフスタイル、将来の視点を考慮して進められる町づくりは、私たち皆が各家庭で行っている「くらし」づくりの延長線上にあると思うのです。
中山町長 佐藤俊晴