- 発行日 :
- 自治体名 : 山形県朝日町
- 広報紙名 : 広報あさひまち 令和7年6月号
大沼の浮島は発見されてから現在に至るまで、人々の手によって守られてきました。最後に、浮嶋稲荷神社の最上俊一郎宮司に継承への思いをお聞きしました。
【浮島×継承】
島の歩み、これからも
◆島を守り続ける作業
沼を浮遊する島は冬になると根を張って岸にくっつくため、人の手で切り離す必要があります。毎年暖かい季節になると、地区住民で協力して島の切り出し作業が行われてきました。作業は沼に入って行うのですが、水温は冷たく水の抵抗もあるため、なかなかの重労働です。
◆誕生を広く祝うため始まったまつり
江戸時代の日本の国名を付けた島が新たに誕生する大沼浮島島まつり。その歴史は意外にも浅く始まったのは昭和45年頃でした。「島の誕生を自分たちだけで祝うのはもったいない」という住民の方の思いがきっかけとなって始まったのです。
まつりは特別な事情がない限り、7月の第3日曜日に開催しています。これは当時の区長が、農業や畜産業で年間を通して働く住民たちに対して「毎月第3日曜日には休むように」と呼びかけたことがきっかけでした。
◆受け継がる宝物への思い
1300年以上の歴史が続いているのは、親から子へ、子から孫へ…と浮島を守る術(すべ)が伝えられてきたからだと思います。子どもたちが神社や浮島の周辺の掃き掃除をしてくれたときもありましたし、昭和50年頃には老人クラブの方々が沼に鯉を奉納してくれました。
浮島の継承のため、数多くの努力を重ねてくださった先人たち、島の切り出しや草刈りなどをはじめとする維持管理に一生懸命取り組んでくださる皆さんには深く感謝しています。地区の人口減少・高齢化が進み、地区住民だけでの維持管理は年々難しくなっています。地区に限らずに広く協力を得ながら、これからも歴史を紡いでいきたいですね。
「先人たちの努力と皆さんの支えのおかげで、今なお歴史が続いています。」
浮嶋稲荷神社宮司 最上俊一郎さん
○島の切り出し作業
分解したりひっくり返ったりしないよう直径1.5~2m、水深1m程度を沼の岸から切り出す。
○しめ縄ない
神社の境内や浮島の敷地内の各所に飾るしめ縄は毎年区民が手作りしたものを使用。
浮島は長い歴史が刻まれていますが、現在も島が動く仕組みははっきりとされておらず、多くが謎に包まれています。発見されてからまもなく、神様を祀る祠がつくられたほかに、人々は島をご神体として、島の位置や動きで吉凶を占ったとも伝えられています。
全く動かないこともあれば、風に逆らって動くこともある大沼の浮島。その神秘的な様子を見に、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
■ぜひ、ご参加ください 主な記念事業
〜いずれも詳しくは今後、町公式ホームページなどでお知らせします〜
○名勝「大沼の浮島」俳句コンテスト
大沼の浮島に関する俳句を募集します。
日時:10月10日(金)まで
対象:プロ・アマチュア問わずどなたでも
○大沼の浮島 名勝地指定100周年記念式典
大沼浮島島まつりを含めて開催し、みこの舞の奉納やフォークコーラスグループ「あめっかぜ」による歌が披露される予定です。
日時:7月27日(日)午前10時~
場所:大沼の浮島 遥拝所周辺
対象:どなたでも
○俳句deトークin Asahi(仮称)
お笑い芸人の村上健志さんを招き、浮島の歴史を交えながら俳句の魅力を語るほか、「俳額」の展示を予定しています。
日時:11月30日(日)午後1時30分~
場所:創遊館ホール など
担当:朝日町教育委員会
【電話】67-2118