- 発行日 :
- 自治体名 : 福島県いわき市
- 広報紙名 : 広報いわき 令和7年8月号
■街の姿を変えた鮫川橋改築
鮫川橋は国道6号の舗装整備の一環として、昭和11(1936)年度から総延長400m、幅員7・5mという規模で建設されました。敷設場所は鮫川木橋の上流100m、常磐線との間の地点で、県内では福島市の信夫橋(しのぶばし)と並び偉容(いよう)を誇る橋でした。いわき地方における幹線道路でみると、夏井川に架かる平神橋に続く橋のコンクリート化です。
竣工式は昭和14(1939)年7月に行われ、橋上での渡り初め、植田小学校講堂における植田町・錦村共同の落成祝賀会、さらには小学生による橋上国民体操をはじめ、町内旗行列、夜間の流燈花火大会などの催しで一日中、祝賀色に染まりました。
その後、建設から半世紀を経て、鮫川橋は架け替えの時期を迎えます。鮫川橋の架け替えが難しかったのは、橋の延長が400mもあり両側の植田、錦町大島に家屋が密集していたからでした。
このため、既設橋をそのまま利用しながら並行して下流側に新橋工事を施工するという大がかりな手法が採られました。家屋移転を伴う道路付け替えも必要とされたことから、橋と取り付け道路を加え、延長は900mにも及ぶ大規模工事となりました。
事業は平成7(1995)年度から着手、翌年度から用地買収、さらに平成14(2002)年度から本体工事と、それぞれ進ちょくし、平成17(2005)年1月の架橋起工式を経て、平成23(2011)年2月に開通しました。開通によって、両岸の街の姿は大きく変わりました。
(いわき地域学會 小宅幸一)