- 発行日 :
- 自治体名 : 福島県いわき市
- 広報紙名 : 広報いわき 令和7年10月号
■整形外科医療録(7)
▽脚の付け根の痛み
脚の付け根の痛みには、前の方の痛み、後ろ(おしり)の痛みがあります。前の方の痛みは、骨盤と太ももの骨を繋ぐ股関節の問題で起こることがあります。
日本人は西洋人と比べて太ももの骨(大腿骨)を支える被(おお)い(臼蓋(きゅうがい)といいます)が小さいため、関節の軟骨への負担が大きくなります。年齢を重ねるとすり減ってしまい痛みの原因となります。動き始め、立ち上がり、階段を降りるときの痛みが初めにでてきます。臼蓋の被いは、女性の方が小さいため女性の方が罹(かか)ることが多くなっています。普通のレントゲンで診断できます。
治療は若い方は、骨を切って被いを改善する骨切り術、40歳以上の方は人工関節が行われます。人工関節は、入院期間が約1週間で、長期成績が良いことから最近盛んに行われます。股関節の問題で横や後ろの痛みも出ることがあります。後ろの痛みは、腰が原因となることがあり、腰を動かすと痛みが出ることが特徴です。
■けんこうQ and A 腎臓内科(7)
▽腎臓の健康チェックには何がありますか?
腎臓病は症状が出にくいため、早期発見が非常に重要です。そのために欠かせないのが「尿検査」と「血液検査」です。これらの検査を定期的に受けることで、腎臓の状態を数値で把握することができます。
尿検査では、特に「尿蛋白(にょうたんぱく)」と「尿潜血(にょうせんけつ)」が重要です。正常な腎臓であれば、尿中に蛋白はほとんど出ません。しかし、腎臓のフィルター機能が低下すると、血液中の蛋白が尿中に漏れ出してきます。これは腎機能低下の初期サインです。
血液検査では、「クレアチニン」や「eGFR(推算糸球体(すいさんしきゅうたい)ろ過量)」を確認します。クレアチニンは腎臓で排泄される老廃物で、数値が高くなるほど腎機能が低下していることを示します。eGFRは、年齢や性別などを考慮した腎機能の推定値で、60未満は慢性腎臓病の可能性があります。
これらの検査は、症状が出ていない段階から腎臓の異常をとらえる手段です。特に高血圧や糖尿病などの持病を持つ方、家族に腎臓病の方がいる場合は、年に1回は検査を受けることをおすすめします。
◇かかりつけ医の紹介・相談は、医師会事務局へ
提供・問い合わせ:(一社)いわき市医師会
【電話】38-4201
