文化 白河かるた 札でつながる今・昔 七枚目「狛犬(こまいぬ)」

「ぬ」
抜(ぬ)ける空(そら) 
飛翔狛犬(ひしょうこまいぬ) 
雲(くも)に乗(の)り

神社の境内に鎮座している狛犬には、邪気を祓(はら)い、神前を守護する役目があります。
狛犬の起源は、古代オリエントまで遡(さかのぼ)るといわれています。当時、ライオンは強さや力の象徴として権力者から重要視されており、権威付けや守護、魔除けを目的にライオンを型取った石像が王宮や神殿などに建てられました。
やがて中国において、仏像を守る獅子(しし)に変化し、朝鮮半島を経由して日本に伝来しました。
そのような狛犬ですが、福島県南部は「飛翔獅子型(ひしょうししがた)」と呼ばれる姿をしたものが数多く見られる全国的にも珍しいエリアです。
この造形を考案したのは石川町出身の小松寅吉(こまつとらきち)です。高遠(たかとお)藩出身の石工で、脱藩して浅川町に住み着いた小松利平(りへい)の弟子であった寅吉は優れた石工として頭角を現し、数々の狛犬を制作しました。東下野出島の鹿島(かしま)神社の飛翔狛犬が代表作です。また、寅吉の一番弟子と言われる小林和平(こばやしわへい)も複数の作品を残しており、石川町の石都々古別気(いわつつこわけ)神社の狛犬が有名です。
師弟3代の手が紡いだ技は、空を翔ける獅子の姿となり、神域の静寂を守り続けています。

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