文化 地域の魅力 ふる里再発見

伊達市東部にそびえる霊山は、登山などレクリエーションの場として有名です。そして、そこにはさまざまな歴史が眠っています。
それを語ってくれるのが、写真のガラス瓶です。見覚えのある形やロゴに、味を思い出した人もいることでしょう。また、これが歴史?と思った人も多いのではないでしょうか。実はこれは、霊山の紫明峰(しめいほう)で採集されたものです。
この瓶は時代によって形やロゴが微妙に変化しています。写真の瓶は淡い緑色をしているので、通称「グリーンボトル」と呼ばれています。こういった瓶は、第二次世界大戦(1939~1945)終結後、日本にアメリカ軍が進駐していた時代(1945~1952)に、アメリカ兵やその関係者だけが飲んでいたものと分かっています。
実は、霊山の紫明峰には、1958年までアメリカ軍の無線中継所がありました。日本の普通の人は飲むことができない瓶ですから、そこで仕事をしていたアメリカ兵が飲んだものと考えられるのです。異国の山頂で任務についていたアメリカ兵たちは、馴染みの味を楽しみながら休憩していたのでしょうか。
このように、一見、とても新しく見える品物も、場所とあわせて考えることで、新しい価値を見出すことができるのです。

▽令和6年度第3回企画展
「収蔵資料展〜ふるさとの山 霊山~」
5月6日(火・祝)まで
伊達市保原歴史文化資料館