- 発行日 :
- 自治体名 : 福島県大玉村
- 広報紙名 : 広報おおたま 2025年6月号
■花・野菜・植物たち(4)
箱﨑美義著
◆(3)つづき
以前代から、ひのきは、どのように係わり使ってきたのだろうか。その歴史は、古くから現在に至って、なお、また今後も続くに違いない。その一端を以下にあげてみた。家などの建築には、柱や板張材、檜皮の屋根葺などに用いてきた。昭和時代前後は、材質が柔らかく肌触りがよいことから風呂桶などに用いた。能楽や歌舞伎などの格の正しい舞台は、すべて、ひのき材作りである。以前代から現在なお使われきている、ひのき材の必需品、製品の一部には、毎日使われる食膳の箸、仏前の線香や台所の俎板(まないた)などと多い。庭木としては、樹形、整形で円錐型を老木に至るまでもち、陰樹で車寄、植潰し、心木、並木、生垣などに用いる。薬用では、淋病などに用いた。
◆(3)たんぽぽ
ふはふはタンポポのとびあかあかと夕日の光り人の歩める 北原白秋
たんぽぽの花の低きよ蝶を呼び 江女
蒲公英(たんぽぽ)のほほけて飛ぶを追う雀 虚子
○たんぽぽの生いたち
たんぽぽは、今から1,000年前代、平安時代、鎌倉時代に日本やヨーロッパ諸国の山、野原などに初めて生れ育った。キク(菊)科で越年草、多年草の一種である。このたんぽぽは、日本には、10種類ほど自生、野生しており、このうち主な、かんとう(関東)たんぽぽは、関東や中部(石川、愛知など)地方南部の道ばた、山野などによく生え育つ。また、かんさい(関西)たんぽぽは、近畿以西の山野や野原などによく育っている。せいよう(西洋)たんぽぽは、ヨーロッパ原産の帰化植物で野原や道端など人家付近によく生え育つ。しろ(白)ばなたんぽぽは、四国や九州などの野原などに多く生え育つ。
○たんぽぽの本名、別な呼び名のゆらい
たんぽぽの本名は、たんぽぽ、蒲公英などがある。別な呼び名は、黄花郎(こうかろう)、蒲公草(ほうこうぐさ)、蒲地金(ぼちきん)、白鼓釘(はくこてい)、白白菜(はくはくさい)、田菜(たな)、藤菜(ふじな)などがある。
○黄色に染まる大玉村たんぽぽ
以前から大玉村の毎年、年中行事がくりひろげられてきている。先づ初めに待ちこがれていた桜花祭り、そして村中がピンク色に染まる。次いで豊作こめたコメ所の田んぼにイネ苗の田植が。水面に青の幼イネ苗が揺れ動くさま。また5、6月今どき、村中の道ばたや野原一面がたんぽぽ花の黄色一色に染められたさまが目に映えうつる。