- 発行日 :
- 自治体名 : 福島県昭和村
- 広報紙名 : 広報しょうわ 令和7年4月号
菅家 博昭(大岐)
◆新かすみ草・銀河(1)
2024年8月30日、福島県郡山市内のJA農産物直売所「愛情館」旧店舗にて福島県内の切り花の品評会が開催された。私の出品物「かすみ草銀河」が第1席の金賞(農林水産大臣賞)の選出された。昭和村での試作から15年目になる。私の受賞は2018年に続いて2回目である。
2025年2月14日、福島県郡山市内の福島県農業総合センターで表彰式があり、農水省東北農政局の参事官より賞状と盾を受領した。
同年3月12日、昭和村役場を訪問し、舟木幸一村長にこれらの報告をした。このかすみ草の育成経過について本欄で数回連載する。11月には明治神宮の大嘗祭に参列する。
私は1984年から2014年12月まで大岐で設立された昭和花き研究会に所属し、1999年に一人イスラエルのかすみ草育種会社ダンジガー社を訪問。その後、住化農業資材(株)のかすみ草育成に昭和村大岐での現地栽培試験を担当した。そのなかで、「フォレスト」「ホワイトビクトリア」「ノート」等の作出に関わった。「ホワイトビクトリア」では2018年8月県の品評会での第1席となり、2019年11月の政府主催の大嘗祭(明治神宮)に参列している。
かすみ草の育種は、多様な新種のかすみ草を、現地でどのような栽培をして社会が新しく求める商品形態のものを提供できるか?将来の社会像を考えるなかで行う仕事です。多様なかすみ草は容易に作出可能ですが、問題は社会への定着です。銀河という新種のかすみ草の作出は15年前からはじまっています。
(1)2010年3月17日、都内の大田花き(株)にて9時から14時まで欧州ドイツに本社を置くセレクタ社の3名との会議が行われた。そこでスペインのバルセロナ支社のジョルディ氏、後に2011年6月8日に昭和村に来るリチャード氏、セレクタのドイツ本社の社長との会合だった。
この会合は、当日の会議の通訳も兼ねた大阪のクリザールジャパンの海下展也さんから、セレクタ社が日本でかすみ草の品種を販売したいので、相談したいと言われ、この日が設定された。大田花きで行ったのは当時・昭和花き研究会の主要な出荷先市場であったため(昭和花き研究会は2014年12月に解散し農協部会に合流・現在会津よつば農協かすみ草部会員)。
大田花きの商品開発担当の福島市生まれの宍戸純さんが同席された。
セレクタ社が育種し、昭和花き研究会が生産、大田花き(卸)、中央花卉(仲卸)で3カ年独占し生産販売を行い、新しい流れを作る、ことで合意し、品種導入・試作を行うことになる。その後、大きな枠組みを話し合い、同年10月20日(IFEX開催前後)に2回目の会議が開催された。
(2)2010年10月20日(水)午後、セレクタ社と大田花きにて3月17日以来本年の取り組み結果について、懇談。大田花き宍戸氏、販売担当松永剛志氏、中央花卉斧田社長・中谷隆敏氏、菅家、通訳は海下氏。セレクタは3月と同じ3名。12人。
かすみ草パールシリーズ。銀河(CV405)、セレブレイション、ブロッサムの試作結果。夏に品種の命名を依頼され海下展也さんと私で、日本名の花が無いので銀河gingaという名称提案をしたところ採用された。
それまでセレクタ社かすみ草の日本側のパートナーは群馬県のカネコ種苗(現在スターマインというかすみ草を展開)であり、昭和花き研究会(私の岩下の圃場)としても2009年にカネコ種苗を通じてセレクタ社の新品種かすみ草CV系の試作を経験していた。