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- 自治体名 : 福島県広野町
- 広報紙名 : 広報ひろの 令和7年4月号
火力の町として、広野火力発電所と令和3年に運転を開始した広野IGCCとの未来に向けての共生を展望した脱カーボンを掲げ、脱炭素技術の開発促進、経済的な合理性、国等の政策との整合性を踏まえ、再生可能エネルギーを推進していきます。町は令和3年3月にゼロカーボンシティ宣言を行い、令和4年3月には広野町ゼロカーボンビジョンを策定しました。今後において、東日本大震災の経験を念頭に、公共施設や町有地、駐車場上部空間などに太陽光発電設備約1,300KWと自営線約2,200mのマイクログリットを構築いたします。複数の公共施設間で再エネ電力を融通し自家消費することで、平時、自然災害など非常時に際しての命を守る生活の確保、防災体制を確立し、二酸化炭素削減量の最大化を図るとともに、独自電源と蓄電池及び送配電網を持つことにより、地域レジリエンス機能も強化する取り組みを全国に先駆け、「民間資金を活用した公共施設等への再生可能エネルギー設備導入事業」に取り組んでまいります。これらの取り組みにより、政府の目標である再エネ自給率60%を上回る80%の達成を図ってまいります。
「道の駅」構想においては、折木地区土砂採取事業が硬質岩盤の出現を受け、町議会との協議により事業を取り止めとし、森林法に基づき福島県と林地開発計画変更協議を行い、植生基材吹付による法面保護、植樹等により災害・水害の防止、水源のかん養、環境の保全を図り、令和7年度において埋め戻しを実施いたします。新たな「防災の駅」構想においては、令和3年3月に策定した「広野町国土強靭化地域計画」に基づき、折木地区、広野町役場並びに二ツ沼総合公園を3つの防災エリアとして設定し、当該エリアを防災・エコ・再エネ拠点として整備することを目的とした「広野町防災の駅基本計画」策定に着手してまいります。
福島イノベーションコースト構想に基づく福島国際研究教育機構(F-REI)の展望において、東京大学アイソトープ総合センターとの協定から、広野町文化交流施設(ひろの未来館)に拠点となるサテライトオフィスを開設し、F-REIの研究テーマ「放射線科学・創薬医療、放射線の産業利用」のもと、がんの創薬の研究開発、実用化に向けた創薬製造へ連携を展望してまいります。早稲田大学環境総合研究センターとの平成29年5月の協力協定に基づき、広野町を拠点として「ふくしま浜通り未来創造リサーチセンター」が開設され、世代、地域、分野を超えて、福島の復興と廃炉について考える「ふくしま学(楽)会」「1F地域塾」「福島再生塾」と連携し、復興人材育成に取り組んでいます。そのほか、協定を締結する東日本国際大学、純真学園大学、福島工業高等専門学校との取り組みを充実・発展させ、更なる福島復興に取り組んでまいります。
結びに、本年、広野町は町制施行85周年を迎えます。5月には町制施行85周年記念事業として『第36回巨木を語ろう全国フォーラム福島・広野大会』を開催し、震災による未曾有の複合災害を乗り越えてきた町として、自然の恵みや緑豊かな美しい里山の魅力を全国に発信してまいります。先人がたゆまぬ努力によって築いてこられた美しいふる里の伝統・文化・風土に愛情と誇りの念を刻み、本年を〝ふる里復興・創生「漸進(ぜんしん)の年」〟と位置付け、着実に歩みを進めながら、医療福祉、教育の充実、自治体DXの推進、地域経済の更なる発展、福島国際研究教育機構(F-REI)と町と協定締結にある学術研究機関と連動した復興人材の育成、そして新たな展望、原子力事故からの新たな時代の防災に強い〝安心・安全な共生のまちづくり〟に向け、新たな未来創造を展望してまいります。復興・創生には、様々な課題・難題がありますが、これまでいただきました様々なご縁を大切にし、愛するふる里のために、様々な皆様と信頼を深め、互いにリスペクトの念を持ち、理解し合うことで、必ずふる里復興・創生を成し遂げる決意をもって取り組んでまいります。
皆様、町政への一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。