文化 まちおこしのスパイス

■地域おこし協力隊とは?
地域おこし協力隊とは、総務省が平成21年度から取り組んでいる制度で、都市部の意欲ある人材が地方へ移住(最長3年)し、地域力の維持・強化を目的とした支援活動を行うものです。

■笠間の栗、その香りと誇りを伝えたい―「しぼりたて笠間の栗の純モンブラン」誕生の舞台裏―
▽プロフィール地域おこし協力隊 三宅輝明(みやけてるあき)隊員(29歳)
2024年5月より笠間市の地域おこし協力隊として着任。笠間市の特産品である栗を活用し、笠間栗ファクトリー株式会社と連携して、栗製品の品質向上、商品開発、販売促進などの支援を行っています。活動を通じて、地域の活性化につながるような「笠間の栗のブランド化」に貢献することを目指しています。

10月の東京・下北沢BONUS TRACK。笠間の栗の香りがふわりと会場を包み込みました。イベント「Local Good Ibaraki 2025」に「しぼりたて笠間の栗の純モンブラン」を携えて出店。笠間の栗の魅力を、都会の人に〝体験〟として届けたい。そんな想いから始まった挑戦でした。

私は「笠間の栗の魅力を、もっと多くの人に知ってほしい」という想いを胸に、日々、笠間の栗のブランド化を推進する活動に取り組んでいます。そんな中、「都内で茨城を体験して味わう」をテーマにしたイベント「Local Good Ibaraki 2025」への出店が決まりました。栗に魅せられ、栗を愛しすぎている男として、笠間の栗を〝ひと口の感動〟にして届けたい。その一心で、栗そのものの味わいを最大限に引き出すモンブランづくりに挑みました。

▽栗の真実を知る、香りを体験するモンブラン
和栗の魅力は、なんといっても「香り」。ただ、この香りはとても繊細で、時間の経過や食材の組み合わせによってたちまち損なわれてしまいます。
一般的なモンブランのように、生クリームやバター、洋酒を加えると、味わいにリッチさやコクは出るものの、栗の香りが奥に引っ込んでしまう。マスカルポーネや白あん、きな粉、コーヒー、味噌、トマトパウダーなど、いくつもの組み合わせを試しましたが、「これが笠間の栗のモンブランだ」と思える味には届きませんでした。そこで思い切って方向性を変え、「余計なものは足さず、栗そのものを食べる体験を届けよう」と決意。たどり着いたのは、栗ペースト(糖度30)だけを絞った、まじりけのない「純モンブラン」でした。
しかし、栗だけでは食感が重くなりがち。そこで、土台にザクザクとしたクランブルをしのばせ、香ばしいほうじ茶クリームと軽やかな生クリームを合わせました。栗の香りと食感の変化が一体となり、濃厚でありながら食べ終えた瞬間にすっと香りが抜けていく、そんな「香りを体験するモンブラン」が完成しました。
さらに、「本当においしい栗の香りを感じてもらうには、しぼりたてしかない」と考え、提供の直前に一つずつ絞る〝しぼりたてスタイル〟を採用。絞った瞬間に立ちのぼる香りと、その様子を目の前で見る時間もまた、お客さんにとって〝笠間の栗を味わう体験〟の一部になりました。

▽食べた人が驚いた「栗そのものの味」
イベント会場では「これが栗本来の美味しさなんですね」「笠間に行ってみたい!」という声が相次ぎ、栗の香りや味の奥深さに驚くお客さんがたくさんいました。素材の力、作り手の想い、そして地域の誇り、それらが確かに届いたと感じた瞬間でした。

▽笠間の栗の未来に貢献したい
今回のモンブランは、笠間の栗ブランドを全国へ発信するための第一歩です。これからも笠間の栗を軸に、新しい商品や体験を生み出し、地域の魅力を広げていきます。地元の皆さんと一緒に、この誇るべき「栗のまち・笠間」を未来へとつないでいく。その想いを胸に、今日も栗と向き合っています。

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問合せ:企業誘致・移住推進課
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