- 発行日 :
- 自治体名 : 茨城県笠間市
- 広報紙名 : 広報かさま 令和7年4月号
■笠間市立病院看護師 廣瀬(ひろせ)りか
春は1年の中で寒暖差が一番大きく、身体は気温の変化に対応するために交感神経が優位な状態(緊張状態)が続きやすくなります。この状態では疲れがたまりやすい、免疫力が下がる、胃腸の働きが落ちる、肩や腰が痛くなる、身体が冷える、寝つきが悪くなるなどの症状が現れやすくなります。さらに春は、異動、転勤、新生活の始まりなど、生活が大きく変化する季節です。緊張やストレスを感じることが普段より多く、自律神経が乱れやすくなります。自律神経は、自分の意志とは無関係に身体の表面や内部の刺激に反応して、身体の機能を調節する働きをしています。例えば、暑いと汗をかいたり、走ると心拍数や呼吸数が増えたりすることです。
自律神経には、交感神経と副交感神経があります。この二つの神経は、正反対の働きをする性質があり、互いにバランスをとり体調を整えています。
▽交感神経(からだを活動させる)
・主に器官を覚醒、促進、緊張状態にするが消化は抑える。
・からだを活発にさせてエネルギー消費を増やす。
・怒りや緊張、危険、不安、恐怖などを感じたときには興奮状態になる。
▽副交感神経(からだを休ませる)
・主に器官を収縮、弛緩状態にするが消化は促進する。
・からだをリラックスさせてエネルギー消費を抑制する。
・休息、睡眠時に活発に働く。
自律神経が乱れると心身にさまざまな症状が現れます。
・身体的…頭痛や耳鳴り、動悸、だるさ、微熱
・精神的…落ち込み、不安
自律神経を整えるため次のことに気をつけてみましょう。
(1)規則的な生活を送る
交感神経は、朝や日中に働きが強くなり、副交感神経は、夜に働きが強くなります。朝は日光を浴びることで交感神経の働きをよくします。スマートフォンやテレビの光は、交感神経を高めるため、寝る1~2時間前は控えましょう。休日も夜更かしや昼過ぎまで眠ることは避け、平日と同じサイクルで過ごすことが大切です。
(2)栄養バランスを考えた食事をとる
食事の基本は、主食(ご飯・パン・麺など)、主菜(肉・魚・卵・豆腐など)、副菜(野菜・こんにゃく・きのこ類・海藻類など)の三つが揃った食事です。忙しくて外食やコンビニ食になる時にも、丼物や麺類などの単品より、食材の多い定食やお弁当を選ぶようにしましょう。また、自律神経を整える作用のあるビタミン・カルシウム・ミネラルを積極的に摂るよう意識しましょう。
(3)適度に身体を動かす
エレベーターやエスカレーターを使わず階段を使う。駐車場で車をいつもより遠くに駐車するなど、普段の日常生活の中で身体を動かす時間を作り交感神経の働きを活発にしましょう。
(4)調整しやすい服装を心がける
寒暖差が大きいと身体も疲れを感じやすくなります。体温調整のしやすい服装を心がけ、気温によって服を調整するようにしましょう。
季節による影響はさけられないので、まずは生活リズムを整え、日ごろの予防と対策、リラックスを心がけましょう。
問合せ:市立病院
【電話】0296-77-0034