- 発行日 :
- 自治体名 : 茨城県守谷市
- 広報紙名 : 広報もりや 2025年7月号
■パンの国ドイツ
ドイツは世界で最もパンの種類が豊富な国だと言われています。3,000種類以上あるので、「パンの国」とも呼ばれています。パンは、ドイツ語で「Brot(ブロート)」といい、元々は「食べ物」という意味でした。
ドイツは土壌と気候の関係で、いろいろな種類の麦が育ちやすい国です。南北で気候が異なり、南は小麦が多く、北はライ麦は多いなど、麦の種類も違います。そのため、パンの種類も地域によってさまざまです。
全国的にみると、一番人気なのは食パンと「Mischbrot(ミッシュブロート)」です。「Misch(ミッシュ)」は、混ぜるという意味で、小麦とライ麦を混合したパンです。小麦とライ麦の割合によって味も食感も違い、ライ麦が多いほうが酸味が強く、歯ごたえがあります。
規則が大好きなドイツでは、パンの基本的な材料も決められていて、麦、塩、水と酵母です。ビールの決まりに似ているので、ビールは「液体のパン」とも呼ばれています(笑)。また、パンの名前の付け方も決まっています。例えば、ライ麦パンはライ麦が9割以上占められているものを指します。9割以下でしたら、ライ麦パンではなく、「Mischbrot(ミッシュブロート)」になります。
基本的に、ドイツのパンには砂糖は入れません。日本は砂糖が入っているパンが多いので、多くのドイツの人にとって、日本のパンはケーキみたいに感じます。日本のパンとのもう一つの違いは、パンの外側です。ドイツのパンの場合は、外側が硬いパンが多いです。焼くときに、パンの表面は暗い色になり、カリッとした食感が特徴です。
ドイツには、非常に多くのパン屋さんがあります。約9,600もの「Meisterbäckerei(マイスターベッカライ)」があり、通常のパン屋さん(Backshop(バックショップ))と合わせると45万店舗になります(日本は1万店舗)。「Meister(マイスター)」は、パンの専門学校で勉強した人で、自分のベーカリーを開ける人です。生地から自分でパンを作るお店を「Bäckerei(ベッカライ)」といいます。「Bäckerei(ベッカライ)」から生地を買って、その生地でパンを作るお店は「Backshop(バックショップ)」(通常のパン屋さん)です。つまり、ゼロからパンを作れるのは「Meister(マイスター)」だけです。ドイツのパンの文化は伝統的なレシピと新しい技術によって発展し、2014年にユネスコの無形文化遺産に登録されました。
日本の茶道のように、パンひとつとっても奥深いですよね。皆さんも、機会があればいろいろなパンにチャレンジしてみてくださいね。