しごと 姉妹でぶどうを栽培! さと果ぶどう園
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- 発行日 :
- 自治体名 : 茨城県八千代町
- 広報紙名 : 広報やちよ 10月号(令和7年度)
「さと果ぶどう園」を営む森さん一家。
今回は、ぶどう栽培を行う長女の早也佳さんと次女の千慧さんに話を伺いました。
●就農したきっかけ
8年ほど前、2人とも同じくらいの時期に仕事をやめて、一緒に家で農業をやろうかという話になりました。当時、ラディッシュの契約の話があったタイミングで仕事をやめていたのもあって就農を決め、最初はぶどうではなく野菜をやっていました。
●ぶどうの栽培を始めた経緯
コロナ禍に出荷していたレタスなどはほぼ外食向けの出荷だったので、それが止まり大打撃を受けてしまいました。葉物野菜は市場の状況に左右されやすいので、野菜をそのまま2人で続けるのは難しいのと、重いものを持つ作業や大きな機械での作業を必要としない果樹がやりやすいかなと考えました。もともとコロナ禍の時期にぶどうの木は植えていたのですが、そこから1年目くらいの頃に町でぶどうの講習会をやっていて、ぶどう農家が増えてきたこともあって本格的に栽培を始めるようになりました。
●育てている品種の数と、人気の品種
木を育てている段階のものも含めると、全部で約20種類あります。シャインマスカットは、やっぱり1番人気ですね。ふるさと納税の返礼品に出しているスカーレットも人気があります。
●誰もが驚く究極の甘さ
うちで出荷しているぶどうは、全て糖度が18度以上で、平均糖度は20度を超えています。自分たちで食べながら全ての房で糖度を測って、一つの房で甘さのばらつきが出ないようにしながら収穫しています。
●美味しいぶどうを育てるために重要な「房づくり」
房が小さい時に、粒を一つ一つ選抜してはさみで切っていく作業など、農薬散布を除いてほぼ全部が手作業になります。これが本当に大変ですね。ジベレリン処理(房に薬剤を浸して種ができなくする処理)も大変な作業ですが、皮ごと食べられる、種なしの品種が人気なのもあって、欠かせない作業です。
●就農前と後で変わったこと
就農前は、スーパーで野菜や果物を買う時に安ければいいと思っていたけれど、自分の手で実際に作ってみると、作業量の割に安いなと思うようになりましたね。買う側としては安い方がいいけれど、店頭に並んでいるのを見て高いなと思っても、作る手間を考えるとその価格に納得するようになったのと、もっと安くならないかな、と思わなくなりました。
●ぶどう栽培は思っていたよりも難しい
ぶどうは最初からこういう形でなるものだと思っていたので、一つの房に対してこんなに多くの作業をするとは思いもしませんでした。肥料をあげすぎてもだめだし、水が多すぎたり少なすぎたりしてもだめなので、水の管理も難しいところですね。
●難しいけれど楽しさもある
手間をかければその分よくなり、放置すれば売り物にならなくなる。それが目に見えて分かるのが面白いです。自分たちは直売をやっているから、なおさらそれを感じますね。買ってくれたお客さんから「ここのぶどうが一番美味しい」と言ってもらえたりもするので、そういうことがあると報われます。近所の方や知り合いの方に「うちでチラシを張るから持ってきなよ」と言ってもらえることもあって、ここの場所自体が目立つ所ではないので、そういう形で協力してもらえるのはすごくありがたいです。
●今後の目標
去年あたりから、町内の農家さんや飲食店とコラボして色々なメニューや加工品を出したりしているのですが、それをもっと増やしていければいいなと思います。ゆくゆくは、ぶどうの収穫体験を開催したり、独自の品種開発などもできればと考えています。
●就農を考えている方へ
自分たちは、両親が農家でハウスなどの設備や環境が整っていたのでそのまま就農できたけれど、一から始める場合は大きい農家さんのところで学ばせてもらうのがいいと思います。一年の間でも、その時期にどんな野菜や果物を作って、どんなサイクルで作業をするなどの色々な勉強ができると思うので。若い世代の農家さんはまだまだ少ないので、これから仲間が増えるといいなと思います。
■「さと果ぶどう園」の名前の由来は?
考案者は、母の三千代さん。当初は、苗字をそのままつけて「森ぶどう園」にする案もあったが、長女の早也佳(さやか)さんの「さ」と千慧(ちさと)さんの「と」を取り、果実の「果」を足して「さと果ぶどう園」となった。
「果(か)」は、さと果ぶどう園代表の勝巳(かつみ)さんの「か」でもある。
営業期間:8月下旬~(不定休)
営業時間:午前9時~午後5時(なくなり次第終了)
所在地:八千代町大字平塚1943番地
【電話】080-5165-8284
さと果ぶどう園インスタグラム
※二次元コードは紙面またはPDF版をご覧ください。