文化 国際交流員マルセルのコラム

■ドイツでのマナー
(Sitten in Deutschland)
シッテン イン ドイチュランド

◇あいさつのビジネスマナー
日本と同様に、ドイツでも朝出社した際には、職場の人とあいさつを交わします。また社内で知らない人(他部署の人、訪問者、出入りの作業者など)に出会っても、簡単にあいさつを交わすことが多いです。
ビジネスライクな普通のあいさつとしては、
・Guten Morgen「グーテン・モルゲン」(おはよう)
・Guten Tag「グーテン・ターク」(こんにちは)
(南ドイツでは、Grüß Gott「グリュース・ゴット」)
・Mahlzeit「マールツァイト」(昼前後のこんにちは)
・Auf Wiederseh`n「アウフ・ヴィーダーゼーエン」(さようなら)
金曜日には
・Schönes Wochenende「シューネス・ヴォッヘンエンデ」(よい週末を)
などがあります。
もう少しカジュアルでインフォーマルなあいさつとしては、
・Hallo「ハロー」や、Hi「ハーイ」など(こんにちは)
・Tschüss「チュース」や、Ciao「チャオ」など(さようなら)
・Bis bald「ビス・バルト」(じゃ、すぐに)
・Bis später「ビス・シュペーター」(では、あとで)
・Bis morgen「ビス・モルゲン」(じゃ、またあした)
などがよく使われます。
4月24日から27日にかけて来日するディーツヘルツタール訪問団を見かけたときには、ぜひこのあいさつを使って交流してみてください。きっと笑顔であいさつを返してくれると思いますよ。
私が初めて日本に来て、日本独自のあいさつであるお辞儀を経験したときは素晴らしいなと思っていましたが、いつも必ずお辞儀をしなくてはいけないと考えると、ちょっと大変そうだと同時に思ってしまいました。

◇白ビールグラスでの乾杯マナー
ドイツでは、お祝い事などで乾杯する場合は、グラスを合わせる相手の目をしっかりと見るのがマナーと言われています。
ミュンヘン名物の白ビールは酵母の香りが心地よく、飲みやすいビールとして人気です。
通常の乾杯の際には、グラスの上部を合わせるのが一般的ですが、白ビールの場合には少々異なります。というのも、白ビールのグラスは下の部分が細く、ガラスも厚めに作られていますが、上に行くにしたがって広がった形状となり、ガラスも薄くなっています。この薄くなった部分を打ち合わせると割れてしまう恐れがあるということで、白ビールでの乾杯の場合は、ガラスが厚い下の部分を打ち合わせるのが、バイエルンでのしきたりとなっています。

◇家庭に招待されたときのマナー
お休みの日など、親しくなったご家庭に招待されたとき、ドイツ人は時間に正確であることを好みますので、お招きされた時間きっかりではなく、2~3分早く呼び鈴を押すとよいでしょう。
また、ご家庭にワインや花束、チョコレートなどを持参するのが良いマナーとされています。
食事の際にアルコール飲料などを勧められたら、飲める方は飲んでいただき、飲めない方はそれをはっきりと伝えて、ミネラルウォーターやソフトドリンクなどをお願いするといいでしょう。

■ミニコラム「Alkohol(アルコール)(お酒)」
自分で経験したことはありませんが、同僚に教えてもらった日本のアルコールハラスメント(アルハラ)のような、無理やりお酒を飲ませるということは、ドイツではなかなかありません。大きい瓶ビールを皆で分け合ったり、苦手なお酒を無理やり注文させることはなく、自分の飲みたいお酒、あるいは飲める分だけを注文します。そうすると、グラスが空っぽになっても、他の人にもう一杯を注がれたり、注文させられることもありません。また、お会計も一緒ではなくて、皆がそれぞれ好みのお酒や量を飲んでいるので、別々に払うのが一般的です。他にドイツと違うと思ったのは、日本では後輩の分は先輩がおごることがあること、乾杯をする際に、先輩のグラスは上に、後輩のグラスは下にすることが上下関係を表すことなどです。これもおもしろい異文化ですね!