- 発行日 :
- 自治体名 : 栃木県上三川町
- 広報紙名 : 広報かみのかわ 2025年5月号
水を張った田んぼも増えはじめ、田植えの季節となりました。近年は、その時期らしい気温というものを体感できなくなりつつありますが、田植えなどの農耕作業や行事から、移り行く季節の風情を味わえます。
農業が盛んな上三川町では「田んぼ」にまつわる文化財が数多くあります。
五分一の水田は、冬の間も田に水をためておく”ふゆみず田んぼ“という農法がおこなわれ、そこにオオハクチョウの群れが飛来していたことから、その風景が「とちぎのふるさと田園風景百選」に選定されました。ふゆみず田んぼとは、通常、稲刈り後の田んぼは乾いた状態ですが、そこに水を張ることでキツネなどの動物が寄りつかなくなり、水鳥が安心して休んだり餌を取ったりできる環境が生まれます。そして、集まってきた水鳥のふんや水田に残った藁(わら)などが、微生物やミミズなどの働きで天然の堆肥(たいひ)になり、農薬や化学肥料に頼らない田んぼをつくる農法です。
農作業の時には民謡が唄(うた)われ、気分を盛り上げて労働に励んでいました。上三川町で唄われていた田植え唄は、午前、昼、午後、と時間帯によって異なる唄が唄われていたそうです。こうした民謡の歌詞には地域の風景や特徴が表れており、その土地の歴史や風土、人々の想いを感じ取ることができます。
なにかと話題のお米ですが、今年もおいしく、豊作になることを祈りましょう。
参考:栃木県民謡緊急調査「栃木県の民謡-民謡緊急調査報告書」1983
環境省”もっと先の未来を考えるエコ・マガジンエコジン“
【URL】https://www.env.go.jp/guide/info/ecojin/
問合せ:生涯学習課 文化係
【電話】0285-56-3510