- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県行田市
- 広報紙名 : 市報ぎょうだ 令和7年4月号No.946
■株式会社あさひ
▼廃ガラスのリサイクルで『行田から世界へ』
2018(平成30)年に創業してわずか7年で、廃ガラス再資源化に関する特許を取得し、国連工業開発機関(UNIDO)で紹介されるなど、行田から世界に進出しようとしている株式会社あさひを紹介します。
同社を創業した代表取締役の中村さんは、以前店舗開発事業などに携わっていましたが、その中で今後大量廃棄が見込まれる太陽光パネルのガラスが一部を除きリサイクルされず、廃棄されているという現状を知りました。こうした現実を前に、環境への負荷を減らし、ガラスを資源として再利用できるようにしたいとの思いで、この会社を立ち上げました。
創業後は廃ガラスの再資源化に関する3つの特許を取得した他、廃ガラスをリサイクルし、エッジレスで人にも環境にも優しい人工珪砂を使い、環境省が実施する環境技術実証事業(ETV事業)にも参画。2022(令和4)年から2年間、生態系などへの影響が大きく、実証評価のハードルが高い「海」での実証事業を行いました。
実証では、軽くてすぐに流されてしまう自然の砂に比べ、同社の人工珪砂の方が重く長期間堆積したことや、汚染物質が出ないことから、植物も十分に生育し、魚などが多く生息するという結果が出て、非常に高く評価されました。
また、同社が製造したガラスの砂を活用して、本市と「ある映画」で所縁のある琵琶湖の湖岸をビーチ化する事業も進めるなど、廃ガラスを新たな資源として活用する事業にも取り組んでいます。
最近では、同社の技術力や環境負荷の低減につながるガラスの活用サービスを聞きつけた、シンガポールやタイの事業者などが視察やガラスの買い付けにも訪れています。
今後の目標について中村さんは「現在他社の技術では完全なリサイクルは実現できておらず、リサイクルの過程で廃棄物が出てしまいます。当社の持つ廃棄物を出さないオンリーワンの技術を『行田から世界へ』と広げ、低炭素社会や資源循環社会、自然との共生社会の構築を目指していきたいです」と語ってくれました。そして「行田に『あさひ』あり」といってもらえるような会社に成長させたいと、中村さんの視線は世界を見据えています。
▽会社プロフィール
代表取締役 中村 典雄
事業内容:廃ガラス再資源化技術の開発・研究・活用サービスの提供、廃ガラス・廃太陽光パネル再資源化機器の開発・販売、人口珪砂の製造・販売・物流事業
所在地…行田12-12
※このコーナーで紹介する会社を募集しています。
特色ある業務を行っている会社の情報を広報広聴課までお寄せください。
【電話】内線318