くらし 特集1 令和7年度 施政方針

【「安全」「安心」「未来」のまちづくりの実現に向けて】
市長 角田守良

■市政運営の基本的な考え方
私が市長に就任して、間もなく3年が経過しようとしています。私の市政運営の基本は「継承」と「革新」、目指すまちづくりのキーワードは3 つ「安全」「安心」「未来」、これは一貫しています。そして、「かぞ愛」をモットーに全力疾走を続けています。
また、限りある経営資源の中で行政サービスを拡充し続けることは不可能です。「あれもこれも」ではなく、「あれかこれか」という考え方の下に、優先順位を付け、必要な取り組みに注力する「選択と集中」による財政運営を継続していきます。

■令和7年度の基本方針
令和7年度は、私の市長としての任期4年間のうち、実質的な最終年度でもあります。これまで培った知識や経験を生かし、これまで注力してきた取り組みにさらに磨きをかけながら、私の考える市長の役割を果たしていきます。
市長の役割は3つあります。
1つ目は、ビジョンを示し、旗を振る役割です。
2つ目は、課題を市民の皆さまと共有して、解決策も含めてアピールしていく役割です。
3つ目は、老若男女全ての市民がいつもどおり暮らせるように支援する役割です。
シニアも若者も、子育て世代も、障がいのある方もない方も、およそ赤ちゃんからお年寄りまで、全ての市民の暮らしを守り、支えていくためには、あらゆる分野、あらゆる課題に向き合う必要があります。引き続き、全方位戦略でまちづくりに臨みます。
置かれている環境と与えられている条件の中で、全ての市民の暮らしを支えるためには何が必要かを常に考えながら、合理的な「判断」と問題を先送りしない責任ある「決断」をもって、総合振興計画を着実に推進する「継承」に、時代の変化に対応した「革新」を加え、全ての施策・事業を常にアップデートしながら、希望の「未来」に向かって全力で取り組んでいきます。

■「安全」「安心」「未来」の取り組みについて
○I 安全
市民の皆さまの「安全」を守る防災や防犯、交通安全などの取り組みは最優先に、スピード感を持って取り組んでいきます。
・昨年の出来事を振り返るとき最初に浮かんでくるのは能登半島地震です。この地震では、木造住宅や上下水道の耐震化、避難所の環境改善などさまざまな課題が浮き彫りになりました。「安に居て危を思う、思えば則ち備え有り、備え有れば憂い無し」という故事成語のとおり、平時に危機を想像できる想像力とその危機への具体的な備えにより被害を小さくするため、さまざまな防災対策を講じていきます。

○II 安心
市民の皆さまの「安心」を支える福祉、健康、子育て、教育、環境、文化・スポーツなどさまざまな分野に関する多くの取り組みを充実していきます。
・本市の特徴でもある妊娠から出産、育児に至るまでの包括的な子育て支援については、より一層磨きをかけます。
・未来を担う大切なこどもたちの学びを支える教育環境については、課題やニーズに対応し、充実を図ります。
・相互に関連し補完し合う、健康・医療・スポーツの取り組みを充実することにより、市民の皆さまの健康を増進し、日常生活の満足度や幸福度を高めていきます。

○III 未来
希望の「未来」へとつなぐ、かぞ版スーパーシティ、産業や観光の振興、公共交通、人権・男女共同参画、DXの推進など幅広い分野の取り組みに挑戦します。
・現状や課題を明らかにし、明確な目標や将来ビジョンを共有することにより、計画的かつ効率的で効果的な市政運営へとつなげていくため、総合振興計画の後期基本計画と24の部門計画の策定や改訂を行います。
・数多くある公共施設については、維持・補修だけでなく、施設の状況に応じて、廃止や統合、さらには長寿命化やリニューアル、新設など、多様な対応を段階的に進めていきます。
・加須駅周辺の新たなまちづくりについては、民間事業者の進出意向確認やインフラ整備などを同時に進めるとともに、加須駅北口の中心市街地活性化に向けて地域の皆さまから意見を伺う場を設けます。
・本市の基幹産業である農業はもとより、工業や商業も含めた産業全体の維持発展や観光推進体制の強化などに取り組み、魅力と活力にあふれるまちを目指します。
・さまざまな分野にデジタル技術を導入し、市民サービスの向上や業務・働き方を改革するDXを推進していきます。

本市の合併15周年の節目を迎えるに当たり、多数の応募の中から決定した本市の新たなキャッチコピーが「笑うかぞには福来る」です。
花が咲くことを「花が笑う」と表現することがありますが、「咲」と「笑」は、もともとは同じ文字であったといわれています。花も人も一番美しいのは笑顔のときだと思います。
至る所に笑顔があふれ、住む人々に幸せが訪れるような加須市の「未来」に向けて、本年度も皆さまのお力添えをいただきながら、「かぞ愛」をもって、全力疾走してまいります。