- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県加須市
- 広報紙名 : 広報かぞ 2025年8月号
■和菓子職人
関根雅史(Sekine Masashi)
昭和61年生まれ、加須市在住
和洋菓子店「御菓子司せきね」3代目店主
平成29年全国菓子研究団体連合会主催「第8回技術コンテスト」の工芸菓子部門で最優秀賞受賞、令和7年「第28回全国菓子大博覧会」の和風工芸菓子部門に出品した「山光澄我心」が農林水産大臣賞を受賞
和風工芸菓子は、製菓材料の米粉や白あん、食紅などを使い、四季や花鳥風月を展示台の上に表現したもの。「幼い頃から、自由に発想する図画工作が好きだった。工芸菓子には、なじみのある風景、実際は見たことのない風景どちらも、自分の感じたものを作品に反映できる魅力がある」と言う。
今年の受賞作品で特にこだわったのは、鑑賞作品としてのバランス。玉敷公園の大藤を参考に自作の型をつくった藤の花弁や、鳥の羽の曲線、細部を写実的に表現しつつ、見た人に「綺麗」「食べたらどんな味がするのだろう」と感動や興味を持ってもらえるような豊かな色彩を添え、バランス良く配置することを意識した。家族経営の店を切り盛りしながらの制作では「いつも家族の支えを感じていて、休日は家族と過ごし、しっかり休むことも意識している」。
「工芸菓子をきっかけに和菓子に興味を持つ人が増えると嬉しいですし、今、1歳のこどもにも誇れるような仕事がしていけたら」と微笑みつつ「これからも先輩職人からより高度な技術を学びながら、自身の得意とする繊細な表現を磨いていきたい」と穏やかに語る関根さん。その感性と心の込もった次の作品の発表が、今から待ち遠しい。