文化 かすかべ 今昔絵巻

◆114 春日部の文化財vol.24
榎囃子神楽連面芝居用具(えのきはやしかぐられんめんしばいようぐ)

今回は、7月に開催される民俗芸能のうち榎の囃子神楽に伝わる面芝居の用具類を紹介します。「榎囃子神楽連面芝居用具」は、昭和10年代後半に途絶えた「面芝居」に関係する面27点、衣装38点、幕4点、芝居台本8点からなる用具類です。
榎の囃子神楽は、正徳(しょうとく)年間(1711年~1716年)に疫病(えきびょう)退散と五穀豊穣(ごこくほうじょう)を願い、茨城県稲敷市(いなしきし)の大杉神社から榎地区に伝えられたとの伝承があり、昭和57年(1982年)に庄和町(現春日部市)の無形民俗文化財に指定されています。
神楽や囃子以外にも面芝居も演じられていました。
面芝居は、江戸の神楽師(かぐらし)から、榎囃子神楽連に伝授されたものですが、用具類に記された年代によると大正時代から昭和初期にかけて盛んに行われていたことがうかがわれます。
残念ながら現在は、県内でも面芝居に関わる伝承者は少なく、榎地区に伝わる「面芝居」の用具類を通じて、当時の状況を知ることができる唯一の貴重な資料として、平成21年(2009年)7月21日に市指定有形民俗文化財に指定されました。これらの用具類は、現在、春日部市郷土資料館に寄託され、指定文化財展などの機会に公開されています。

問合せ:文化財課
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