- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県羽生市
- 広報紙名 : 広報はにゅう 令和7年5月号
■帯状疱疹について
帯状疱疹とは、ピリピリした痛みと水ぶくれが、身体の左右どちらかに帯状(おびじょう)に現われる病気です。原因は、若い頃(多くは幼小児期)に罹患した水痘(みずぼうそう)のウイルスです。このウイルスは神経節に潜伏感染しており、過労やストレスなどで免疫力が低下した際、再活性化して帯状疱疹が起こります。帯状疱疹は痛みの強い病気ということが有名で、早期の診断と治療が肝心です。今では一般的な病気で診断も付きやすく、抗ウイルス薬などの特効薬もありますが、筆者が医師になった数十年前には、まだ珍しい病気で、治療法も限られておりました。帯状疱疹が疑わしい場合、まずは皮膚科やペインクリニックなどの帯状疱疹を良く見ている診療科を受診してください。治療法は点滴、神経ブロック、内服となりますが、最終的な対応はWHO(世界保健機関)が推奨するように、特殊な器具や技術を必要としない内服治療を優先するべきです。残念なことに、埼玉県北部では帯状疱疹の神経ブロック治療を継続的に受けることは難しく、ですからこそ、重症化する前の早期診断と治療開始ならびに発症前の予防が重要なのです。羽生市でも令和7年4月から、帯状疱疹の予防接種が定期化されましたので、是非ご検討ください。
医師 小林毅之