くらし 7月は「社会を明るくする運動」強調月間 地域で立ち直りを支える保護司
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- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県蕨市
- 広報紙名 : 広報蕨 令和7年7月号
犯罪や非行をした人たちの出所後の生活に寄り添い、更生を支える保護司の活動をご存じですか。7月は犯罪のない明るい地域社会を目指す「社会を明るくする運動」強調月間です。ここ本紙またはPDF版掲載の2、3ページでは、保護司による更生保護の取り組みについて紹介します。
犯罪や非行をした人が再び過ちを犯さないためには、その人自身が自らの過去と向き合い、罪を償って立ち直りのために努力することに加え、そうした人を受け入れる地域の力が欠かせません。「更生保護」は立ち直ろうとする人に寄り添い、支えることで、更生と自立を促し、犯罪や非行のない、安全で安心な地域社会を作る活動です。保護観察期間中の面接などを通じて、社会復帰をいちばん近くで見守る保護司をはじめ、さまざまな立場の人たちが関わり、仕事、住居、福祉など、地域に根差した幅広い支援を行っています。
また、更生には地域の温かい目も必要です。安全で安心な明るい社会を実現するため、全ての人に更生保護への理解と支援の輪を広げる取り組みが、「社会を明るくする運動」です。下記では、その中心的な役割を担う保護司の皆さんの活動を紹介します。毎年7月は「社会を明るくする運動」強調月間。この機会に、更生保護と安全安心なまちづくりについて考えてみませんか。
問合せ:福祉総務課
【電話】433・7753
■保護司ってどんなお仕事?
保護司とは法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員で、その活動はボランティアです。「蕨・戸田地区保護司会」は蕨支部21人、戸田支部27人で構成されていて、犯罪や非行をした人の社会復帰や犯罪予防のため、保護観察官や地域の関係機関等とも連携して、次のような活動を行っています。
○保護観察
保護司の中心的な活動で、月に2回程度、対象者と面接を行います。再犯防止のための約束事を守るよう指導するほか、生活上の助言や就労支援を行い、その立ち直りを助けます。
○生活環境調整
少年院や刑務所に収容されている人が、釈放後に支障なく社会復帰を果たせるように、釈放後の住まいや身元引受人、就労先などについて、必要な受け入れ体制を整える活動です。
○犯罪予防活動
更生保護への理解を社会に広げ、犯罪や非行を未然に防ぐための活動です。蕨支部では毎年「社会を明るくする運動」推進大会を実施し、講演会を開催しています。
○蕨・戸田地区更生保護サポートセンター
地域の関係機関・団体と連携しながら、更生保護活動を行うための拠点で、保護司会の皆さんが輪番で運営しています。保護観察の面接や保護司同士の打ち合わせ、ミニ研修などに使われるほか、部屋の空き状況により、地域団体等が利用することもできます。
場所:戸田市大字上戸田5-6(戸田市福祉保健センター内)
開所日時:毎週月・水・金曜日 午前10時から午後2時まで ※祝日、年末年始、戸田市福祉保健センターの休館日は休業
【電話】048-229-8902
■Interview 蕨・戸田地区保護司会蕨支部長 眞下 賢(ましも さとし)さん
20年ほど前に当時の蕨・戸田地区会長に声を掛けてもらったのを機に保護司となり、地域に貢献したいとの思いから長く活動を続けてきました。保護観察を受ける人の多くは自らの過ちを反省し、立ち直ろうと一生懸命です。そうした姿を見守り、支え、社会復帰を後押しすることが私たちの役割であり、やりがいです。
近年、非行や犯罪の件数は減少傾向にある一方、再犯者率は高止まりです。家族や友人、職場などとの縁が切れることで、出所後に孤立を深め、再犯してしまう悲しい事例も見てきました。安全安心なまちの実現に向けて、再犯防止は大きな課題であり、そのためには、地域ぐるみで犯罪や非行をした人の孤立を防ぐことが重要です。「社会を明るくする運動」の趣旨のとおり、まずは理解を広げるため、蕨支部では毎年、講演会を企画しています。今年は10月23日に、『めざせ!ムショラン三ツ星』などの著作がある刑務所栄養士の黒栁桂子(くろやなぎけいこ)さんの講演を予定(※)。多くの人にご参加いただき、更生保護についての理解を深めるきっかけにしていただきたいです。
※講演会の詳細は広報蕨10月号お知らせ版に掲載予定。