- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県新座市
- 広報紙名 : 広報にいざ 令和7年3月号(No.1095)
坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)に始まり源頼家(みなもとのよりいえ)や運慶(うんけい)と、一度は耳にしたことがある歴史上の人物の物語がぎっしり詰まった普光明寺の千体地蔵尊。先人たちが、地域や家族の平穏、繁栄を願い、大切に受け継いできた文化財。その想いや歴史に触れてみませんか。
■千体地蔵尊の伝説
平安時代、坂上田村麻呂は、戦に向かう途中で普光明寺を宿にしました。その夜、田村麻呂は、夢を見ました。「この寺に地蔵さまを納めなさい。そうすれば村人たちは幸福になり、あなたも手柄を立てることができます」と。そして、お守りにしていたお地蔵さまをお寺に納めました。
その後、鎌倉幕府を開いた源頼朝(みなもとのよりとも)は、心にかけて願っていた征夷大将軍になり、これは地蔵さまが守ってくれたおかげだと喜びました。お礼として地蔵さまをお寺に納めたいと願っていたところ、運慶がその地蔵さまを作ることを引き受けました。
頼朝の亡き後、源頼家は父の志を継ぎ、普光明寺に坂上田村麻呂が納めた一体と合わせて千体になるように地蔵さまを作ることを言いつけました。運慶とその弟子たちは、心を込めて木像の地蔵さまを彫りました。千体の地蔵さま、千体の地蔵さま、と。
『にいざの民話(新座民話の会)』から(趣意)
◇33年に1度 歴史の扉が開く
普光明寺の千体地蔵尊は、鎌倉幕府第2代将軍・源頼家の命により、鎌倉時代から今日まで、33年に一度しか拝観することができない秘仏です。
日時:4月4日(金)・5日(土)・6日(日)、午前9時~午後5時
場所:大和田4-13-30※公共交通機関でお越しください
4日(金)の午前9時から御開帳開闢(かいびゃく)(開会)式を行います。また、「大和田囃子(ばやし)(市指定無形文化財)」や所沢市の「南永井囃子連」によるお囃子も披露されるほか、大護摩焚(おおごまた)き法要を行います。また、記念お守りや御朱印を用意しています。
◇れきしてらす企画展示「普光明寺と大和田展」
33年前の御開帳の記録映像や明治36年の街並みを再現した地図などを展示します。
御開帳の拝観前でも、後でも楽しめます。
期間:4月13日(日)まで
場所:歴史民俗資料館
◇記念講座「普光明寺と大和田について」
日時:3月29日(土)、午後1時30分~3時30分
場所:歴史民俗資料館
定員:50名・申込順
講師:元市学芸員・斯波治
申込み:3月1日(土)から窓口又は電話で、歴史民俗資料館へ
◇観光ボランティアガイドと行く3年ぶり御開帳の千体地蔵尊
市内最古の馬頭観音や氷川神社、普光明寺を解説と共に巡る2時間(約3km)のガイドツアーです。
日時:4月4日(金)・5日(土)・6日(日)、午前10時から〈小雨決行〉
集合・解散場所:新座駅
対象:小学生以上の方(小学生は要保護者同伴)
定員:各20名・抽選
申込み:3月14日(金)までに電子申請で
問合せ:シティプロモーション課内新座市観光ボ
ランティアガイド協会事務局【電話】048-424-4686
■2025年は記念イヤー!
今年、市制施行55周年を迎える新座市。
同じく、節目の年を迎える文化財を紹介します。
◇片山村発足150周年
明治8年に発足し、昭和30年に大和田町と合併して新座町となった片山村の歴史や文化財の展示を5月に開催予定です。
庚申塔(こうしんとう)などの石造物や古地図などから、近世・近代の片山村の様子を読み解きます。
◇松永安左ヱ門生誕150周年
明治から昭和にかけて日本の電力普及に貢献した松永安左ヱ門(まつながやすざえもん)(耳庵(じあん))は、近代三大茶人の一人という別の顔がありました。新座の地に睡足軒を移築し茶の湯をたしなみました。生誕150周年にちなんで、11月に期間限定展示を開催します。
◇野火止用水開削370周年
承応(じょうおう)4年(1655年)、飲用水を確保するために開削されました。東京都小平市の玉川上水から分岐し、志木市の新河岸川まで、全長は約24キロメートルです。それまで人が住めなかった原野の開拓を成功に導き、江戸時代前期には、市の約半分の面積を畑と雑木林に変えていきました。
問合せ:歴史民俗資料館
【電話】048-481-0177
開館時間:午前9時~午後5時
※3月の休館日は、毎週月曜日、20日(木・祝)、28日(金)