- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県新座市
- 広報紙名 : 広報にいざ 令和7年7月号(No.1099)
市の国民健康保険の特定健診の結果によると、新座市の高血圧である人※の割合は、全国や埼玉県の平均値と比較して高い状況が続いており、近隣市の中では6年連続でワースト1位です。
県内近隣市に比べて特に違いが見られた血圧について紹介します。
※収縮期血圧(上の値)が140mmHg以上、又は拡張期血圧(下の値)が90mmHg以上の方
■なぜ血圧が上がるの?
血圧とは、心臓から全身に送り出された血液が血管の壁を内側から押す圧力のことです。
高血圧は、塩分のとり過ぎ、肥満、飲酒、運動不足、ストレス、遺伝体質などが組み合わさって起こると考えられています。中でも、日本人の高血圧の最大の原因は、塩分のとり過ぎです。塩分をとり過ぎると、その濃度を薄めようと体が水分を欲し、血液量が増えます。血液の量が増えるほど、血管の壁には強い力がかかり、血圧が上がります。
その他に、原因となる生活・環境要因には、睡眠不足、過重労働、過剰飲酒、寒さなどがあります。
また、若年・中年の男性では、肥満、特に内臓肥満が原因の高血圧も増えています。
▼新座市は近隣市の中で高血圧ワースト1
▽収縮期血圧が140mmHg以上の割合
▽拡張期血圧が90mmHg以上の割合
「令和5年度埼玉県国民健康保険における医療費及び特定健診等の経年変化」から
■血圧が高いと…
血圧が高いと、血管の壁の弾力性が失われる動脈硬化が進み、詰まったり、破れやすくなったりします。
血圧が高い状態が続くと、次のような疾患を引き起こす危険性が高くなります。
・脳梗塞、脳出血などの脳血管疾患
・狭心症、心筋梗塞、心不全などの心疾患
・CKD(慢性腎臓病)、認知症など
▼この血圧だと高血圧と診断します。
生活習慣の改善や治療が必要です。
医療機関を受診しましょう。
▽家庭血圧の高血圧診断基準
収縮期135mmHg以上又は拡張期85mmHg以上
▽医療機関の高血圧診断基準
収縮期140mmHg以上又は拡張期90mmHg以上
■まずは家庭血圧を測ってみよう!
最近の研究では、診察室で測る血圧よりも、緊張の度合いなどに左右されにくい家庭で測る血圧の方が、脳卒中や心筋梗塞などの発症のリスクを予測する方法として信頼性が高いことが分かってきました。そのため、特定非営利活動法人日本高血圧学会のガイドラインでも、高血圧の判定は、家庭血圧を優先しています。
まずは、自分の状態を知るために「血圧測定時の姿勢」、「血圧の正しい測り方」を参考にして、実際に家庭で血圧を測ってみましょう。
家庭できちんと測った血圧の結果を血圧手帳などに記録して、健康診断や医療機関受診の際に、医師に見せるようにしましょう。
▼血圧測定時の姿勢
▽背もたれ
背もたれにもたれて1~2分間リラックスする。
▽両足
足を組まずに両足を床につける。
▽カフの中心
カフは十分に空気を抜いてから緩すぎないようしっかり巻く。カフの中心は心臓の高さと同じにする。
▽手のひら
腕の力を抜いてテーブルの上に置き、手のひらを上向きにする。
▼血圧の正しい測り方
・腕で測るタイプの血圧計を選ぶ
・服装…半袖又は薄手の長袖
・回数…朝と晩の2回測定が望ましい
・室温…寒すぎず暑すぎない適温
朝の測定:
起床後1時間以内・排尿後・朝食前・服薬前に測定
夜の測定:
就寝直前に測定
※入浴、飲酒、食事の直後はなるべく避ける。
※どちらかしか測れないときは朝に測定
・できるだけ毎日同じ時間・条件で測定
■予防・対策は何をすればいいの?
高血圧は自覚症状がほとんどなく、自分では気が付かないため、毎年の健康診断が重要です。また、家庭用血圧計を購入し、自宅で毎日測ることも、高血圧予防に有効です。
一人ひとりが自分の体調を知り、適切な医療機関への受診や生活習慣の改善を行い、高血圧を予防しましょう。
・減塩
・肥満解消
・禁煙
・ストレス解消
・運動
・節酒
・カリウム摂取※
※腎臓の機能が低下している方は注意が必要です。
医療機関に受診している方は、必ず担当の医師の指示に従ってください。
■年1回の健診を忘れずに!
年に一度の健康診断は、自分の健康状態を確認する絶好の機会です。気になる結果があれば、早めに専門家と相談し、適切な対策を立てることができます。
健康診断の詳細は、ご加入の健康保険組合などにお問い合わせください。
市国民健康保険の特定健診の実施期間は、7月1日~12月31日です。無料で受診できます。
問合せ:国保年金課
【電話】048-424-4853