- 発行日 :
- 自治体名 : 埼玉県北本市
- 広報紙名 : 広報きたもと 令和7年2月号
■給食ができるまで
各校の給食室は衛生管理を徹底しているため、普段はその現場を見ることはできません。
今回は特別に、北本中学校のある日の給食ができるまでを大追跡!
~この日(1月10日)の献立~
筑前煮、かき玉雑煮、わかめご飯、豆乳プリンタルト、牛乳
(1)3~2か月前 献立づくり
毎月各校の栄養士の皆さんが集まり、小・中学校の1か月の給食献立原案を決定します。栄養バランスはもちろん、調理手順が実現可能かもチェック。初めて使う食材は取り寄せて、品質や食味を確かめます。完成した原案を持ち帰り、各学校の人数や行事に合わせて日程や分量を調整。献立表や、個別のアレルギー対応献立表を作成します。
・一食の予算(食材費)は中学校368円、小学校310円。美味しくて栄養がしっかり取れる献立を考えます。
・1月11日の鏡開きにちなんで、餅入りのお雑煮を作ります!
・お芋は下処理に時間が掛かるから献立の材料が被らないように…
(2)1か月前~ 調理工程表を作成
出来上がり時間を考えながら、食材の切り方、調理方法を決めた1日分ずつの調理室手配表を作成。この表をもとに、調理員の皆さんが食材の移動経路や人員の配置を決めた工程表を作ります。
・この1枚(調理作業工程表、調理室手配表)に工夫が詰まっているんですよ
(3)7:30 食材の検品
毎日7:30に、当日の給食に使う野菜が届きます。数量に間違いがないか確認したらすぐに下処理へ。8:30頃にはお肉や加工品等なども到着します。
・この日使った野菜は全部で89kg!たっぷりの野菜を使っています
(4)7:30~ 下処理・切りこみ
ヘタ取り、皮むきをした野菜は3回の洗い作業でしっかり汚れを落とします。洗った野菜は手配表の通りに切ってカゴの中へ。
・土が溜まりやすい葉の根元は特に念入りに洗って…
・野菜は食感を活かし、なるべく手切りします
(5)10:30~ 調理
加熱調理は力仕事。食材が焦げ付かないよう、大きな調理用スコップで絶えずかき混ぜます。具材ごとにしっかり中まで火が通っているかも確認します。
(6)12:00 仕上げ・配缶
クラスの人数をもとに、決まった量ずつ食缶に移していきます。
(7)12:25 食缶載せ、押出し
食器類や食缶、直前まで保冷していた牛乳などをワゴンに積み込んで各階の配膳室へ運びます。
(8)12:45 教室へ!
ほかほかの給食を当番の皆さんが配膳します。揃ったら大きな声で、「いただきます!」
・きれいに完食!ごちそうさまでした
■北本中学校 調理員 芳川純子さん
好きな給食「カレーライス」
イチオシはルゥから手作りしているカレー。給食で作る様々なカレーの中で、私が一番好きなのはトマトカレー!実は生のトマトは苦手なのですが、カレーにするととっても美味しく食べられます。
◇給食作りで心掛けていることやこだわりはありますか?
一番は事故なく安全に食べてもらえることでしょうか。私たちの健康管理はもちろん、異物の混入を防ぐため、食品の袋を開けるときは切りくずを出さないようにしたり、手袋に破損がないかなど、作業ごとに確認しています。
◇給食作りで大変なことは?
やっぱり「重さ」ですかね。550人分の食材が入った調理釜は、中身をかえすのも重労働。以前腕を痛めてしまったことがあるので、気を付けています。
◇給食を作っていて楽しいこと、嬉しいことはありますか?
毎日調理を終えて、皆が美味しく食べてくれますように、とワゴンを送り出した後はやっぱり達成感があります。
午前中は調理、午後は調理器具や食器類の洗浄と調理室での作業が主なので、子ども達の様子を見る機会はあまりないのですが、ワゴンの運搬で教室の前を通るときに、「美味しかったです!」って声をかけてくれるのがすごく嬉しいですね。
◇給食を食べる皆さんへメッセージをお願いします!
実は、家でもよく給食レシピを再現して作るんですが、不思議と給食と全く同じ味にはならないんです。この大釜で作る大量調理にしかない「うまみ」が乗っているんだと思います。ぜひ、給食ならではの味を楽しんでもらいたいです!