くらし 〔特集2〕給食には「愛」がつまってる(1)

大人だって、昔は子どもだった。
みんな給食を、食べていた。

昭和35年に始まった北本市の学校給食は、今年で65年目。今日も北本市内では、毎日約3,900人の小・中学生が給食を食べています。きっといつの時代も、大人たちは次の時代を担う子どもたちへ「愛」を込めた給食を届けてきた。今回は、そんな給食に込められたたくさんの「愛」をお届けします。
〔本紙写真…東中学校の給食委員の皆さんと栄養士の吉永愛子主任〕

■東中学校 栄養士 吉永愛子主任
『子どもたちのおなかと心を満たす給食を届けたい。』
『給食が皆さんの一生の健康の土台になったら嬉しい。』
好きな給食「カラフル野菜と豆腐のドライカレーライス」
ひき肉のドライカレーに豆腐を加え、たんぱく質がばっちり取れて、豆腐が苦手な人も食べやすい一品に仕上げています。6種の野菜を使った彩りの良さもポイントです!

「給食の時間は、私がみんなのお母ちゃん。そんな気持ちで、毎日心を込めて給食を作っています」
温かい笑顔でそう語るのは、東中学校の栄養士、吉永さん。栄養士を志したきっかけは、実は福祉の世界にあったのだという。

◇きっかけは「食事を楽しんでほしい」という思い
「高校生の頃、テレビで介護施設の栄養士さんの食事作りの工夫を特集しているのを見たんです。少し前に亡くなった曾祖母にも、こういう工夫が出来たらもっと食事を楽しんでもらうことができたのかな、と思って。それが栄養士を志したきっかけですね」
栄養について学ぶうち、健康寿命を延ばすことが「永く食事を楽しむ」ことになると考えるようになった吉永さん。学校栄養士の仕事は献立作りから食材管理、アレルギー対応、食育活動など多岐に渡り、調理実習などの際は、TA(ティーチングアシスタント)として教壇に立つこともある。
「学校栄養士は、子どもたちの一生の「食」の土台作りに関わることのできる立場だと思っていて、責任とやりがいのある仕事です」

◇安心・安全な給食を届けるためのこだわり
「栄養士としてやることは色々ありますけど、一番気を付けているのはやっぱり〝安心・安全な給食を提供すること〟ですね。食材にはできるだけ地場産、国産のものを使って、食中毒を防ぐ衛生管理や食物アレルギー対応も、各工程で念入りに確認をしています」
そうして完成した給食の配膳が始まると、各クラスの様子を見て回るのが吉永さんの日課だそう。
「なにか起きた場合の対応のためでもありますが、実際に子どもたちが食べている状態や反応を見て、美味しく食べられているかを確認しています。北本市では学校に1人ずつ栄養士がいるので、子どもたちの様子を見たり、学校の授業と連動した取組みを考えたりと、細やかな対応が出来ていると思います。保護者の皆さんも協力的な方ばかりで、『給食があって助かってます』『給食でうちの子は栄養を取ってます』という温かい言葉をいただいています。ですが、こうした給食の運営も、お箸の持参や給食着の用意など、ご家庭のお力添えのもとで成り立っているんです。皆さんのご協力に大変感謝しています」

◇一生続くからこそ、「食」が楽しいことであるように
給食の時間は、子どもたちにとってほっとできる、楽しい時間でありたい、と語る吉永さん。
「食事って、一生続いていくことなんです。だからこそ楽しいことであって欲しくて、苦手な食材も楽しく食べてもらえるように力を入れています。色々な方向から興味を持ってもらうために、毎月、献立表と合わせて季節の行事の由来や郷土料理の解説を掲載しています。先生や子どもたちから『今日の給食が美味しかったからレシピを教えてください』と言われて、家庭用にアレンジした給食レシピを載せてたりもしています」
「ご飯とスープ、おかずがあって肉や魚、野菜が入っていて、牛乳飲むとカルシウムがしっかり取れて、たまには果物も必要で…。そういう給食で培った食事に対する感覚が、この先大きくなって自分で食事を作るとき、飲食店やスーパーで料理を選ぶときの土台になってくれたら嬉しいな、と思ってるんです。そのために、これからも皆さんに楽しみに思ってもらえるような給食を作っていきたいです」

■北本市の学校給食
北本市では、市内小・中学校全11校において学校給食を実施しています。各学校に設置している給食室で調理する自校式の給食提供体制を採用しているほか、栄養士を全校に配置し、子どもたちの豊かな心と健やかな身体の育成に努めています。
献立原案は11校の栄養士で構成される栄養士研究協議会で決定し、小学校と中学校でそれぞれ市内統一となっていますが、更に学校ごとに栄養士がアレンジを加え、独自の献立に仕上げています。栄養バランスに配慮するほか、地元食材の活用や伝承したい郷土料理を取り入れるなど様々な工夫がされています。

各学校で発行している献立表や給食だよりには、人気レシピの掲載も。詳細は各校のホームページをご覧ください。(本紙の二次元コード参照)