くらし 〔特集2〕あなたの声を、待っている。(1)

3月は、自殺対策強化月間です。
今回は、北本市の自殺の現状から、当事者の体験談、自殺を防ぐために今、私たちができることについてご紹介します。
自殺は、誰にでも起こり得る危機です。だからこそ、あなたの声かけが、誰かを救うかもしれません。


出典:「地域における自殺の基礎資料」(厚生労働省)

■毎年平均14人が自殺で亡くなっています
北本市の平成27年~令和5年の自殺者数は123人。平均すると、毎年14人が自殺で亡くなっています。人口10万人あたりの自殺死亡率でみてみると、北本市は全国・県に比べて自殺死亡率が高い地域となっています。自殺者の男女別・年代別の状況をみてみると、女性より男性が多く、また年代別では、男性は40~50歳代の働き世代と80歳代の高齢者、女性では60~70歳代の高齢者の自殺者が多い傾向にあります。

■複数の原因が重なりうつ病の発症にも
自殺の原因・動機で一番多いのが「健康問題」で、次いで「家庭問題」、「経済・生活問題」となっています。「健康問題」が第1位となっていますが、これは何らかの病気を苦に自殺に至った人だけでなく、失業や職場環境の変化、過労、借金、家族間の不和等、様々な要因が重なった結果、うつ病等のこころの病気を発症することが多いためです。これにより、正常な判断ができなくなったり、自殺しか解決策がないと考える傾向が強まります。多くの自殺は、本人の意思や選択によるものではなく、様々な要因によって追い込まれた末に起きていると考えられます。
きっかけとなる要因は、誰にでも起こり得ることであり、要因を少しでも減らすことができれば、早い段階で自殺を防ぐことができるかもしれません。

■北本市の原因・動機別自殺者数(平成27年~令和5年の累計)
第1位:健康問題(69人)
第2位:家庭問題(17人)
第3位:経済・生活問題(11人)
(実人数123人)
出典「地域における自殺の基礎資料」(厚生労働省)

■自殺の危機要因の連鎖図

自殺は複数の要因が連鎖した末に起きています。平均すると4つの要因を抱えていたといわれています。
出典「自殺実態白書2013」(NPO法人自殺対策支援センターライフリンク)

■〔体験談〕私が自殺未遂の体験から伝えたいこと
Kさん
今までの経験を生かして、現在は、精神に障がいを持っている方の就労支援などに携わっている。

父は大酒飲み、母は家事が苦手で、機嫌が悪いと食事をひっくり返すような人。兄や姉と「今日もご飯が食べられなかったね」と言い合う状況だった。両親は自分たちが信じることや、見栄のためにお金を使い、学校の給食や遠足の費用も支払えない。早く家を出たくて、高校生の時に一人暮らしを始め、その後結婚。しかし夫はギャンブル好きで、貯金はおろか、出産費用までギャンブルにつぎ込んだあげく、行方不明に。その上、父を引き取り、県営住宅に引っ越すことになり、お金もない。
ベビーカーに子どもを乗せたまま、電車に飛び込みそうになった時、子どもの声にハッとして、「この子を道連れにできない」と踏み止まった。夫に私の給料まで使い込まれ、夜中に「消えたい」と思って、ハサミで体中に傷をつけたこともある。
その後、何も聞かずに子どもを預かってくれた保育園の園長さんや、夫が行方不明でも離婚ができることを教えてくれた裁判所の人、何かと声をかけてくれた民生委員さんなど、色々な人に助けられ、少しずつ問題が解決できた。何より、他人に相談してもいい、とわかったことで、生きることができたと思う。

〔知っておいてほしいこと〕
「孤立」が一番よくない。しかし、困っている人が自ら相談するのは、ハードルが高い。相談時間が決められていたり、立派な建物だったりすると、敷居が高く、気後れしてしまう。日常生活の中で、何気ない会話から声をかけてもらえると安心する。また、日常会話をする関係性の中だと、相談しやすいと思う。

問合せ:健康づくり課母子保健担当
【電話】594-5544