その他 こんにちは 町長です

■埼玉県一ウエルビーイングな町を目指して
令和7年度がスタートいたしました。今小鹿野町を取り巻く環境は非常に厳しい状況にあります。新型コロナウイルス感染症の影響や経済状況の停滞など多くの複合的要因による急激な少子化の進行、それに伴う高齢化率の上昇、生産年齢人口の減少による雇用者の確保の困難などをはじめ、グローバル経済の影響などによる物価高騰など、町民の生活は大変厳しい状況になっています。
このような厳しい社会経済状況の中で、住民に一番身近な行政である小鹿野町役場の果たす役割は、やはり町民の命と暮らしを守ることを最優先に取り組むべきであると考えています。私は、本年度の町の組織目標を「埼玉県一ウエルビーイング(well being)な町を目指す」といたしました。ウエルビーイングとは、個人の権利や自己実現が保証され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味します。平たく言えば「福祉サービス」がしっかり保証実施されていることです。そして誰ひとり取り残さないことが重要です。
地方自治については日本国憲法で規定され、地方公共団体(都道府県、市町村など)の設置は地方自治法により定められており、「その設置目的は住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担う」とあります。私は住民福祉の根本の考えは、憲法第25条で定める「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」だと存じます。そして、この条文にある健康は、国民(住民)誰もが望んでいることだと思います。
幸いにも、小鹿野町においては歴代町長や町議会が町民の福祉、健康には真摯に取り組んでこられて来ており、県内23町村で唯一保持している国保町立小鹿野中央病院を中心に保健、医療、福祉、介護サービスの連携が図られる、地域包括ケアシステムが県内でもいち早く構築され実施されてまいりました。
全国的に見てもこれだけコンパクトに、一つの地方公共団体で完結して地域包括ケアシステムがうまく稼働しているところは数少ないと言えると思います。町民の命(健康)と暮らしを守る、このシステムの強化には更に力を入れていかねばならないと存じます。
私は、このシステムの充実強化はシビルミニマム(住民が生活していくのに最低限必要な生活水準)であり、これだけで町行政の使命が果たされるものだとは思っていません。
特に町の喫緊の課題である少子化の問題、これは町で育った若年層の定住につながる魅力ある雇用の場が欠けていたり、結婚問題など多様な要因が複雑に絡み合っており、東京圏の地場(多様な高等教育機関の存在、魅力ある雇用機会の提供、文化娯楽機能の集積など)が強い当町にとっては、最難関の課題であり国家有事の問題であるとも言えますが、町としてもその解決に向けて果敢にチャレンジしていかねばならないと存じます。それには、町民皆様のご理解をいただき町役場がワンチームになり取り組んでまいりたいと存じますので、ぜひともご協力を賜りますようお願い申し上げます。

小鹿野町長 森 真太郎