- 発行日 :
- 自治体名 : 千葉県佐倉市
- 広報紙名 : こうほう佐倉 2025年9月15日号(1461号)
■さくら SAKURA 1988年製
佐倉市に初めてやってきた、特別注文のストリートオルガンです。パネルには、市章、市の木である桜、佐倉ハーモニーホールのブロンズ像「天使の像」、オランダの象徴であるチューリップと風車が描かれています。
キー(オルガンの鍵盤に相当する部分)は全部で47(メロディー部22、伴奏部11、ベース部8、打楽器部3、レジスター部3)あり、ヴァイオリン、フルート、ベースなどの音色を奏でるパイプは127本、そのほか、ドラム、スネアドラム、シンバル、人形の鐘が2個付いています。
ストリートオルガンは、ほとんどが手作りです。質の良いパイプを何本も製作するには時間がかかり、全体が完成するには最低でも1年かかりますが、「さくら」は注文から6カ月で佐倉市に届きました。これは、オランダ大使館の協力と、オランダのストリートオルガン製作者であるヘンク・ヴェーニンゲン氏の並々ならぬ努力のおかげです。
■ヴェーニンゲン VEENINGEN 1989年製
パネルには、運河と風車、赤いバラの絵が描かれている可愛らしい小型のストリートオルガンです。
キーは全部で35(メロディー部19、伴奏部12、低域部4)で、ヴァイオリン・フルート・ベースの音色を奏でるパイプは47本あります。
製作者ヘンク・ヴェーニンゲン氏の愛蔵品でしたが、友好を深めた佐倉のためにと特別に譲っていただき、日蘭修好380周年を記念して千葉銀行から寄贈されました。彼の厚意に応え、楽器の名前を「ヴェーニンゲン」としました。
■サーター DE SATER 1898年製
日本にある手回しストリートオルガンでは、最大級のものです。キーは全部で66(広域メロディー部18、中域メロディー部17、伴奏域10、低域部8、打楽器部4、レジスター部9)あり、ヴァイオリン、バンジョー、カリヨン、チェレスタ、チェロ、フルート、ベースなどの音色を奏でるパイプは294本。打楽器は、ドラム、スネアドラム、シンバル、人形の鐘が2個付いています。
「サーター」は、1898年に、室内で使う手回しオルガンとしてヨセフ・ブルセンス氏により作られた、オランダで最も古い手回しオルガンの一つです。当初は、ベルギーのダンスホールで使用されていました。
30年後の1920年にオランダへ戻り、1923年には製作者ブルセンス氏により解体修理がされ、この時、移動ができるストリートオルガンになりました。その後、ストリートオルガンのレンタル会社など複数の所有者の手を渡る中で、パネルや演奏機構が改修され、現在の形になりました。
オランダでの最後の所有者ルード・ブリーネン氏は、恒久的な保存と活用が重要と考え、自動楽器博物館(MuseumSpeelklok)に相談しました。博物館には同年代のストリートオルガンがあったため、友好を深めている佐倉市に購入の勧めがあり、日蘭修好380周年の平成元(1989)年10月に、3台目となるストリートオルガン「サーター」が佐倉市に届きました。
■時を超えて佐倉に響くストリートオルガン
テレビで紹介されたこともあり、注目が高まっている佐倉ハーモニーホールのストリートオルガン。月1回以上行っている演奏会では、3台すべての音色を聴くことができます。それぞれに個性があり、装飾も音も異なるので、聴き比べてお気に入りを見つけるのもおすすめです。
ストリートオルガンは、市が取り組む芸術文化の振興を通した地域活性化の一環として、演奏会やイベントで活用されています。3台とも製作されてから年月が経っていますが、毎年、専門のかたにメンテナンスしていただいており、演奏会のお客さまからも「良い音色がする」と好評です。
今後も、より多くのかたに楽しんでいただけるよう、最新の人気楽曲のブック(楽譜)を増やしたり、ほかの楽器とのコラボ演奏などの新しい試みもしていきたいと考えています。
ぜひ、楽しい音楽のひとときを過ごしに、佐倉ハーモニーホールへお越しください。
■ストリートオルガン演奏会の予定
10月11日(土)正午~
11月1日(土)・12月13日(土)時間未定
※各回20~30分程度
※上記の日程は変更になる場合があります。ご来館前に、市ホームページ(右記)またはお電話などでご確認ください。めったに見られない楽器の内部構造などについて、動画(佐倉市公式YouTube)で詳しく紹介しています。
▽佐倉市広報番組「Weeklyさくら」でも再放送します。
放送日:9月29日(月)~10月5日(日)
毎日 午前10時~/午後10時~
地上デジタル10ch・デジタルCATV301ch
問合せ:佐倉ハーモニーホール
【電話】461-6221
