文化 シリーズめっけたぁ!!おらがの文化財(106)~南房総市内の文化財を紹介します~

■県指定無形民俗文化財
『安房(あわ)やわたんまち』
伝承地:南房総市・館山市の各所
伝承者:安房やわたんまち安房国司祭継承保存会

□神々が寄り合う安房最大の祭礼
安房やわたんまちは、館山市八幡(やわた)にある鶴谷八幡宮(つるがやはちまんぐう)の例大祭(れいたいさい)に合わせて毎年9月に行われる、地域最大の祭礼で、正式には「安房国司祭(あわこくしさい)」といいます。
その起源は、平安時代末期に安房国(あわのくに)の国司(こくし)(長官)が、総社(そうじゃ)で執(と)り行っていた六所祭(ろくしょさい)という祭事まで遡(さかのぼ)ります。総社とは、地域各所の神様たちをまとめて祀るため、国衙(こくが)(国の役所)の近くに建てられた神社のことです。安房の総社は、かつて三芳地区の府中(ふちゅう)にありましたが、鎌倉時代の頃に移転して、鶴谷八幡宮になったとされています。
安房やわたんまちの特徴は、複数の神社が寄り合い、一緒に神事を行う点にあります。これは、六所祭の際に地域内の主要な神社が総社へ参集していたことに由来しており、現在では、南房総市・館山市にある神社から10基の神輿(みこし)が八幡宮に参集します。
南房総市内からは、莫越山神社(なこしやまじんじゃ)(丸山地区沓見(くつみ))と下立松原神社(しもたてまつばらじんじゃ)(白浜地区滝口(たきぐち))の神輿が参加していますが、どちらも平安時代に国司から幣帛(へいはく)(神前への供え物)を奉納されていたとされる神社です。両社の神輿は、祭礼1日目の早朝から渡御(とぎょ)を始め、八幡宮でひと晩を過ごした後、2日目の夜に還御(かんぎょ)する慣わしとなっています。

□公開
・令和7年は、9月13日(土)・14日(日)の開催。

*マナーを守って楽しく見学しましょう。
*見学する時は、所有者・管理者の指示に必ず従ってください。

問合せ:教育委員会生涯学習課
【電話】46-2963