その他 [特集]海と人が育む至宝 九十九里浜のハマグリ(2)

◆味わう人も、守る人。お金で買えるのは味だけでない、未来もです
ハマグリを守り未来へつなぐため、努力を重ねる漁師たちがいる一方で、漁業権を持たない人たちによる悪質な密漁(許可を得ずに漁業を行うなど。最大3000万円以下の罰金または3年以下の拘禁刑が科せられます)が後を絶ちません。
同支部では皆で資金を出しあい監視用のドローンを購入し、操縦免許を取得して上空からも密漁対策を講じています。
さらに、山武警察署と連携し警察官と合同で浜を見回るなど、監視体制を強化しています。「自分たち漁師は稚貝を購入して漁をしています。自然の恵みは無料ではありません。後ろめたい気持ちでいただくのではなく、きちんと対価を払い自分たちが命がけで採った最高のハマグリの美味しさを味わっていただきたいです」と支部の漁師たちは訴えます。
その言葉には、自然の恵みを正しく享受し、感謝の気持ちを持っていただくことの大切さが込められていました。
また、購入したドローンは監視だけでなく、県内の自治体初となる山武警察署との「行方不明者の捜索に関する協定(令和6年3月締結)」に基づき、海の遭難者の捜索にも活用できるようボランティアで(24)時間365日、緊急出動できる体制が整えられています。今後は、子どもたちの登下校の見守り活動にも活用を検討しています。
九十九里漁業協同組合成東支部のハマグリ漁は単なる漁業の話にとどまらず、日本の文化と歴史、人々の助け合いや和合を象徴する営みです。
海に向かう漁師たちの姿からは現代に生きる私たちが忘れがちな自然との調和や感謝の心、そして何よりも海と人を愛する思いの大切さを改めて教えてくれます。

◆九十九里漁業協同組合
組合長 小栗山喜一郎さん
九十九里漁業協同組合は、横芝光町から一宮町までの7市町村が平成22年に合併した組合です。各地区による特色がある部分では良いところですが、反面事業などの一本化(統一化)となると非常に難しいところがあります。山武市のドローンによる監視や注意喚起などの取り組みは地区の特色のある事業と考えております。漁業者が自分たちで資金を出し合い放流事業を行い、毎年資源管理にも努力している取り組みですので、今後も組合として応援していくとともに、密漁のない海になることを望んでおります。

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※広報紙掲載の二次元コードをご覧下さい。

山武郡九十九里町小関2347-36
【電話】0475-76-6171

◆絶品!漁師おすすめ!ハマグリの味噌煮
◇材料…3人分
ハマグリ…1kg
砂糖…大さじ2
味噌…大さじ2

(1)フライパンに貝付きのハマグリを入れ、中火にかけ蒸す
(2)蒸したハマグリを貝からとる
(3)蒸したゆで汁とハマグリ・砂糖・味噌を鍋で加え、汁気が少なくなるまで煮る
お好みでショウガやトウガラシを入れてアレンジも可!

※生のハマグリを剥くときは、きれいな海水か3%の塩水を入れたボウルに貝を入れておくと貝が開くので、ナイフや貝剥きで一気に開くと上手く剥けます。