くらし ひとこと(205)

■笑顔で暮らせるいすみ市に
いすみ市長 太田洋

コロナ感染症が落ち着き日常に戻りつつありますが、世界は戦争、自国第一主義の波が押し寄せ、平和という言葉が大きな意味を持つ時代になりました。今年、太平洋戦争終戦から80年を迎えます。平和はごく当たり前のことで多くの人が疑うことなく、平和はいつもあるものと思っていました。しかし、ウクライナとロシアの戦争をはじめ世界各地で紛争が勃発し、多くの人が命を失っています。戦争をやめさせたくても、もはや国連は機能せず、話し合いでの解決の難しさが露呈しています。今こそ平和は全ての人が忘れてはいけない大切な言葉であることをみんなが理解しなければと思います。
私達は今、このような生きづらい時代をどう生きていったらよいのか考えることが必要です。世界での戦争は協調から分断へと進み、自国第一主義の風潮が生まれ、国内では物価上昇が生活を苦しめています。あらゆるものの価格が上昇し、特に多くの高齢者が生きることや暮らすことにつらさを感じていることを考えると、市政を担うものとして何とかしなければと考える毎日です。
特に、人口減少の波は地域経済を衰退させ、地域に活力をなくしています。多くの高齢者が息苦しさを感じ、人とのつながりが少なくなる生活を強いられています。進む高齢化の中で頑張って暮らしている多くの人をしっかりと支えることが、私たちの役割であると考えます。笑顔で暮らせる地域をつくることが、私たちに与えられた使命です。福祉、介護、医療をどう市民目線で作り上げていくか、困っている人を助け安心して暮らせる地域をどう形づくっていくか、また、その事業者や職員をどう支えていくか真剣に考えなければなりません。
いすみ市は今年市制施行20周年を迎えますが、この困難を乗り越え、人口は少なくとも安心して笑顔で暮らせるいすみ市にしたいと思います。