くらし ひとこと(209)

■楽しい日本づくりを考える
いすみ市長 太田洋

数か月前、石破総理が、「国づくりは楽しい日本を目指します」と語りました。今、日本は、政治、経済ともに苦難の時代を迎えています。特に、経済は、円安が長く続き、輸入物資の高騰により生産物が高止まりとなり、市民生活は苦しさが増し、年金生活者や子育て世代は厳しさがひしひしと増しています。
このような時代の中で、「楽しい日本」とはについて、総理は、全ての人が安心と安全を感じ、自分の夢に挑戦し、明日は良くなると信じられる国をつくることだと話していました。確かに理想はその通りだと思いますが、今の状況の中で、「楽しい日本」という言葉が突然出てきたことに私は違和感を覚えてしまいました。
平成26年から人口減少の波がひしひしと迫り、今まさに日本は、人口減少が止まらない、少子化も止まらない、進むのは長寿日本を象徴する高齢化であります。このような状況の中で、総理の言う楽しい日本はどうしたらつくれるのか、これが大きな課題です。
人口減少が進む中で、これから次の時代を担う若い世代が安心して子育てできる環境をどうつくっていくか、人口減少によって働く人が不足していく中、どうやって事業体を維持していくか、至急考える必要があります。
また、年々進む高齢化の中で、老いを迎える高齢者が楽しく安心して暮らしていくために、福祉、介護、医療を受けられる仕組みの構築も必要不可欠です。人口減少の中で、国に求められているのは、どうしたら明日は今日より良くなる社会がつくれるかを考えることです。私たち自治体も今真剣に考えなければ未来はありません。今こそ思い切って着実に安心して暮らせる幸せなまちづくりを考える必要があります。
いすみ市は、2050年の国の人口予測2万1千人を少しでも上回るよう、市民が暮らしやすく、かつ経済の持続性を維持し、介護、福祉、医療を見直し、安心して幸せに住み続けられる地域をつくる努力をします。楽しい日本を私なりに考えると、何にでも挑戦することができ、頑張ったら努力が報われる社会であって、もしも、何かで不幸になっても、愛の手をさしのべる社会であると考えます。私は真の楽しい日本について考えつつ、日々市民の幸せを追求し、「安心して暮らせるいすみ市」づくりに努力してまいります。