- 発行日 :
- 自治体名 : 千葉県多古町
- 広報紙名 : 広報たこ 令和7年7月号
◆腹部超音波検査のあれやこれ
検査科 前田野月
今回は、腹部超音波検査(エコー検査)のお話をします。
当院の腹部超音波検査では、肝臓・胆嚢(たんのう)・膵臓(すいぞう)・脾臓(ひぞう)・腎臓・大血管などに加え、可能な範囲で膀胱(ぼうこう)・前立腺/子宮・卵巣を検査しています。病変は、胆石、胆嚢ポリープ、腎嚢胞(じんのうほう)などさまざまありますが、一番の目的は、早期の腫瘍を発見することです。発見率を上げるためには、経年的な検査が大切です。
超音波検査は、近年、装置の改良がなされ、より鮮明に細かい部位を観察できるようになってきました。お腹の痛む所や気になる部位に超音波の出る医療器具を当てながら、体の内部の状態や動きを画面上で確認できる利点もあります。胆嚢の中に胆石かポリープか迷うものがあったとき、検査体位を仰向けから横向きへ変えてもらい、胆嚢内で移動したら胆石と判断する方法が一つの例です。一方で、超音波は、空気・ガスや脂肪に富んだ部位は観察しづらく、時には評価困難となる場合もあります。例えば、肝臓に脂肪が溜まった状態である脂肪肝では、超音波は通りづらく正常肝に比べて画像が白っぽくボヤっと映ります。脂肪の度合いが高い場合は、肝臓の奥の方は観察しづらくなるため評価が難しくなります。
超音波検査で評価が難しい場合、当院にはCTやMRIという手段もあります。CTやMRIは臓器全体を把握することが得意で、超音波が苦手な空気・ガスや脂肪に富んだ部位を含め全体を画像化できます。それぞれの強みを生かし、早期発見に努めていきたいと思います。
■病院便り
多古中央病院の受付時間は午前11時30分までとなっています。それ以降は、医師も検査や手術などで対応できないこともあるため、受診前に必ず確認の電話をお願いします。
【電話】76-2211