くらし もしもの災害に備える わが家のトイレ対策(2)

■自宅での避難生活に役立つ今すぐできる防災アクション
もしもの時に困らないトイレの備蓄

地震などの災害では電気・水道・下水道などのライフラインが停止し、生活に大きな影響が出ます。中でも意外に見落とされがちなのが「トイレの備蓄」。東日本大震災では、発災から3時間以内に3割の人がトイレに行きたくなったという報告も※。食料品・日用品等のほか、トイレも必ず備蓄しておきましょう!

※日本トイレ研究所調べ

●災害時に起こるトイレの大混乱
トイレの備蓄が十分ではなかったらどうなる?「在宅避難」を例に時系列で見てみましょう。

◇発災当日
停電や断水で、自宅のトイレが使えなくなることも

集合住宅では各住戸の排水管がつながっています。排水管の損傷に気付かずトイレを使うと下階で汚水があふれるおそれがあり、トラブルにつながることも。

◇3日目まで
避難所のトイレの衛生状態が悪化

家庭にある携帯トイレなどを使い切ると、避難所や公衆トイレなどに多くの人が集まり、適切な運用が難しい状況に。

◇4日~1週間
断水や配管修理の遅れも予想困難な状況が続く

復旧が進む一方で、地域によっては家庭の断水が続き、配管修理が遅れることも予想されます。災害用トイレの備蓄が底をつき、在宅避難が困難になる方も。

いざという時に備えて、日頃から災害用トイレを備蓄しておくことが大切

参考:東京都総務局「東京トイレ防災マスタープラン」

●東京トイレ防災マスタープラン

◇とぎれないトイレ ~いつでも、どこでも、安心に~
首都直下地震の被害想定では、発災後1週間以内で最大約5万7千基のトイレ不足が想定されます。都では「東京トイレ防災マスタープラン」を策定し、区市町村との連携により、トイレ対策を強力に推進しています。

◇取り組みのポイント
・災害時に必要なトイレを、適切な場所に十分な数量を確保する
⇒トイレ空白エリアの解消や人口に応じたトイレの必要数を確保

・多様な避難者に配慮した、快適で衛生的なトイレの環境を整備する
⇒災害用トイレの運用ルールや点検方法の明確化

避難所・避難場所に避難者が殺到した場合、一層のトイレ不足や環境の悪化が懸念されるため、各家庭で災害用トイレの準備をすることが重要です。

●トイレ不足による3つのリスク

◇衛生状態の悪化
災害時は、トイレの清掃が行き届かず衛生状態が悪化するおそれがあります。

◇感染症の発生・拡大
水洗トイレが機能しなくなると排せつ物の処理が滞り、細菌やウイルスによる感染症のリスクが高まります。

◇エコノミークラス症候群
排せつを我慢して水分や食事を控えると、栄養不足や脱水の原因に。さらに、長時間動かずにいると、血栓ができるエコノミークラス症候群を発症する危険もあります。

参考:内閣府「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」