- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都新宿区
- 広報紙名 : 広報新宿 令和7年7月15日号(第2505号)
■災いをもたらした刀傷が今も残る
鬼の手洗石
(6)稲荷鬼王(きおう)神社(歌舞伎町2-17-5)
鬼が水鉢をかつぐ奇妙な手洗石は、もとはとある武士の家にあったもの。庭で水浴びをする不審な音がしたため、主人が水浴びをしているものを切りつけました。すると翌朝、この手洗石に刀傷が付いていました。その後不幸が続いたため、手洗石は稲荷鬼王神社に奉納されました。
■女性をさらうクモの化け物が逃げ込んだ
土蜘蛛の井戸
(7)クモ切り坂(禿(かむろ)坂)(富久町)
歌舞伎にも登場する渡辺綱(わたなべのつな)が、女性をさらうという土蜘蛛の化け物をこの坂で待ち伏せ、切りつけたという伝説が残ります。土蜘蛛は坂近くの自証院(じしょういん)境内で息絶え、その場所から井戸が湧き出ましたが、その水は毒だったため「クモの井戸」と名づけて飲まないようにしたといいます。また、クモ切り坂は、付近の禿(おかっぱ頭)の童子が河童に見えたことから禿坂という別名でも親しまれています。
■夜な夜な化けて通行人を驚かした
地蔵に化けた狸(たぬき)
(8)地蔵坂(袋町)
安産の御利益で知られた光照寺(こうしょうじ)は参拝者が絶えず、その人の多さに困ったのがこの寺に住むタヌキたち。巣から出られなくなったのです。そこで、地蔵に化けて通行人を驚かす作戦に。これを知った武士が、タヌキをこの坂の上で待ち伏せて退治しようとしましたが、まんまと化かされてしまいました。
■実はいたずら好き!?
人を驚かす河童
(9)合羽坂(片町)
合羽坂下、現在の片町あたりには、その昔、蓮池があり河童が住んでいたといわれています。その河童たちが夜な夜な通行人を驚かせたことが坂の名前の由来に。蓮池は江戸時代に埋め立てられ、御先手組(おさきてぐみ)の組屋敷となりました。
■食べると不老長寿をもたらすという
人魚のミイラ
(10)新宿歴史博物館(四谷三栄町12-16)
人魚の肉は「食べると長寿を得る」という言い伝えから、人魚のミイラは長寿のお守りとして江戸時代後期に輸出用としても作成されていたといいます。実際は、数種類の動物を接合して作られています。下記展覧会で展示します。
▼イベント情報
しんじゅく れきし どうぶつえん!
●新宿歴史博物館所蔵資料展
さまざまな資料を通じ、動物と人との関わり合いの歴史を紹介する企画展示で、人魚のミイラも展示しています。
日時・期間:9月21日(日)まで
会場・場所・問合せ:新宿歴史博物館
★三遊亭圓朝(えんちょう)旧居跡
花園公園(新宿1-21)
「怪談牡丹灯籠(ぼたんどうろう)」で知られる近代落語の祖
怪談噺(かいだんばなし)をはじめ多くの落語演目を創作した圓朝は、幽霊画コレクターとしても知られているほか、「怪談乳房榎(かいだんちぶさえのき)」という噺には落合(ホタル狩り)や十二社(滝)など、区内の名所等が登場します。明治21年〜28年に現在の花園公園があるところに居を構え、園内には旧居跡の記念碑があります。
☆小泉八雲記念公園(大久保1-7)
「怪談」で知られる明治の文豪
日本各地に伝わる「雪女」や「ろくろ首」等の怪談話の再話を集めた「怪談」で知られ、ラフカディオ・ハーンの名でも親しまれる八雲は、ギリシャのレフカダ島で生まれ、新宿区でその生涯を終えました。最期の地近くの同園は、故郷のギリシャをイメージし、整備されています。
※新宿伝説・伝承マップは本紙をご覧ください
問合せ:区政情報課広報係
【電話】5273-4064