- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都品川区
- 広報紙名 : 広報しながわ 令和7年2月1日号
消防団員の方たちはどんな思いで日々活動しているのでしょうか。お話を伺いました。
○私たちの地域を守るために第一線に立つ
品川消防団 団長 大谷敏子さん
消防団で副分団長だった夫が早逝し、それをきっかけに入団しました。今から約30年前のことです。夫を失い虚脱感に襲われ、生きていく力が湧いてこない時に声をかけていただき、消防団の活動に集中することで前向きな気持ちになることができました。また、健康でなければできない活動ですので、自己管理をしっかり行い、今では当時よりもずっと健康な体になりました。
要請があれば必ず出動し、男性と同じように動けるよう訓練にも力を入れて取り組みました。女性でも活躍できることを多くの方に知ってほしかったですし、みんなの見本となる思いでがんばってきました。消防団の活動には、男性も女性もありません。日々の訓練で救急救命や消火活動などの技術を学び、それを必要な場所で最大限に生かす。地域を守るために、できることをできる人がやる。それが消防団の活動です。
昨年、団員からの推薦を受け、品川消防団の団長の任に就きました。団員の時と気持ちは変わりませんが、団員の皆さんが気持ちよく活動できる環境をつくれるよう努めていきたいです。災害が起きた時、すぐに消防車や救急車が来てくれるとは限りません。自分の命、私たちの地域を守るのは自分たちであり、その第一線に立つのが消防団です。
大谷団長は令和6年4月に東京都で初の女性団長に任命されました。
○地域の人たちの力を集結したのが消防団
大井消防団 鈴木雅也さん
大井消防団の選抜チームの1人に選ばれ、第51回東京都消防操法大会可搬ポンプ操法の部に出場しました。週3~4日の強化訓練を積み、優勝することができました。18歳で消防団に入り12年経ちますが、仲間とともに知識を学び、技術を磨き、チームの結束力を高めて取り組んだこの経験を経て、改めて消防団の役割を強く意識するようになりました。ただ、操法の高い技術を持っているだけでは、消防団の本来の役目を果たせているとは言えないのではないか。震災などが起きた時、地域の人たちの安全確保を適切に行うことができるか。消防団員としての自覚が芽生えたというのでしょうか、そうしたことを考えながら訓練に臨むようになりました。大規模な災害が発生した時には、自分たちの手で地域の人たちを守ることができるようになりたいという思いで、訓練に励んでいます。
柔道整復師の資格を取り、現在は生まれ育った家で整体の治療院を開いています。仕事の知識を生かして、訓練する前にはケガ予防の準備体操を取り入れたり、団員の体の相談に応じたりすることもあります。団員には様々な職業の方たちがいて、それぞれ得意な分野を持っています。それを結集して力とするのが消防団の良さではないかと思っています。
○消防団は自分が学び成長する場でもある
荏原消防団 荒井雪歩さん
母の勧めで小学生の時に消防少年団に入り、消防少年団員として活動してきました。訓練は月2~3回。物干し竿(さお)とTシャツを使って簡易担架を作ったり、骨折してしまった時の救急処置を習ったりしたことがとても興味深く、それが現在の活動にまでつながっています。また、訓練以外にもケーキを作ってパーティーを開くなどの催しもあり、学校以外にこうした場があることがとても楽しかったです。現在は医療関係の仕事に就いているのですが、消防少年団で応急救護について学んだことが医療の道に進むきっかけにもなっています。
消防団に入り初めて出動し、消火活動のサポートをした時の緊張感は忘れられません。日頃の訓練がいかに大切かを実感するとともに、訓練で培った技術や知識が人の命を守ることにつながっていることを強く感じました。それと同時に、まだまだ学ぶことがたくさんあることも痛感。「上級救命技能認定」の資格はすでに持っていましたが、さらに上の「応急手当普及員」の資格も取得しました。消防団員でなければできない経験をさせていただき、常に上を目指して成長していくことができるのは、消防団に入ったおかげだと思っています。今マスターしたいのは、消火ポンプの使い方です。大会に出て賞を取ってみたいです。
■「消防団員を募集しています!」品川区の消防団
区内在住・在勤・在学で、18歳以上の健康な方であれば、どなたでも入団できます。就職活動にも役立つ「特別区学生消防団活動認証制度」や事業所の社会貢献の広報にもなる「消防団協力事業所表示制度」もあります。
募集について詳しくは、特別区消防団ホームページか最寄りの消防署にお問い合わせください。
問い合わせ:
品川消防署【電話】3474-0119
大井消防署【電話】3765-0119
荏原消防署【電話】3786-0119
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問い合わせ:防災課防災安全・国民保護担当
【電話】5742-7651【FAX】3777-1181